企業が求める特定のスキルや経験を持つ人材を発掘し、直接スカウトして採用する「ヘッドハンティング」。専門性の高いスキルを持つ人材や、ハイレイヤーに属する人材へアプローチする際に効果的な手法として、注目を集めています。

ヘッドハンティング会社を活用するのはもちろん、実は自社でヘッドハンティングを行い、採用成功を目指すことも可能です。今回は「ヘッドハンティング」をする際に効果的な、コミュニケーション戦略について考えます。

採用成功を導く「ヘッドハンティング」

ヘッドハンティングは、一般的な求人広告や人材紹介サービスでは見つけにくい「潜在的な優秀人材」にもアプローチできる点が強み。「特に転職は考えていなくて…」という方にも直接声をかけ、自分のキャリアを捉え直す機会をもたらしています。

ヘッドハンティングを実施する際には、候補者の職場での実績やスキルセット、キャリアの志向性などをじっくりマッチングするため、採用成功への確率も高まります。そのため、組織の成長に不可欠なキーパーソンが獲得できると考え、導入している企業も増えているようです。

ヘッドハンティングの特徴

ヘッドハンティングは主に2つの手法があります。

サーチ型ヘッドハンティング：企業主導で戦略的にアプローチ

サーチ型ヘッドハンティングは、企業が主導権を持って行います。自社やヘッドハンティング会社が積極的に市場を調査し、理想の候補者を見つけ出してアプローチをします。

登録型ヘッドハンティング：専門会社を介して効率良くマッチング

登録型ヘッドハンティングは、ヘッドハンティング会社に登録されている候補者の中から、企業のニーズに合う人材を紹介してもらう方法です。

どちらの方法を選択するかは、求める人材や採用の予算、スピード、人事担当のリソースなどを考慮して決めていく必要があります。もちろん、2つを組み合わせて対応することも可能です。

自社でもできる「ヘッドハンティングの流れ」

工数はかかりますが、自社だけでもヘッドハンティングにチャレンジできます。次の7つのポイントを意識し、社内の人脈ネットワークを最大限に活用して進めていきましょう。

1 ｜ 人材要件の明確化

まずは「求める人物像」を明確にします。必要とされるスキル、経験、資質などを具体的に言語化し、社内で共有しましょう。

2 ｜ 市場リサーチ

現在の業界動向や競合他社の状況を調査し、ターゲットとなる人材がどのような環境にいるのかを把握します。「今はまだ転職を考えていない」などの潜在的な候補者もリストアップしておきます。ビジネスSNSなどを通じて探すのもオススメです。他にも社員の人脈から紹介いただいたり、業界イベントで声をかけたりするなど、さまざまなアプローチができます。

3 ｜ 候補者の情報収集

ターゲットとなる候補者をピックアップし、より詳細な情報を収集します。職歴、仕事の実績、専門性などを調べ、自社のニーズとのマッチング度を調べてみましょう。

4｜ オファー面談 

候補者にコンタクトを取り、面談の機会を設けます。候補者が目指しているキャリアの希望についてお聞きし、自社の魅力や「どのような成長機会がありそうか」など、提供できる価値について伝えることが重要です。

5 ｜ 条件交渉

相互理解が深まり、候補者も興味を持っていただければ「具体的な条件交渉」に入ります。給与、役職、福利厚生などについて、調整しましょう。

6｜ 合意形成 

条件面で合意に達したら、内定通知書の作成や契約書の締結を実施。双方にとって公平で、気持ち良く働ける状態を目指します。

7 ｜ 入社までのフォロー 

その後も、継続的なコミュニケーションを続け、候補者の不安を解消しましょう。社内でのオンボーディング（受け入れ準備）も並行して進めていきます。

戦略的なコミュニケーションで企業価値の魅力を伝える

ヘッドハンティングは、単に「優秀な人材を発掘」して終わりではありません。自社で長く活躍してもらえるよう、採用成功に向けた魅力づけができているかが問われるのです。そのためには、コミュニケーションの取り方を意識しながら接することが重要になります。

◆ 候補者とのコミュニケーションを戦略的に進める

ヘッドハンティングを成功させるには、候補者との円滑なコミュニケーションが大切です。例えば、次のような点に気をつけたやり取りをすると、採用成功に一歩近づけるかもしれません。

• 個別アプローチ：候補者の持つ背景や興味に合わせてコミュニケーションを取る。

• 丁寧なヒアリング：候補者のキャリア目標や価値観をよく聞き、理解しようとする。

• 透明性：企業の状況や、候補者に期待する役割を、率直かつ明確に伝える。

• フォローアップ：定期的に連絡を取り、信頼関係を築く。

◆ 自社の魅力的なポイントは？

さらに、自社の強みや独自性を分かりやすく候補者に伝えられるようにします。魅力的なポイントとして、次のような切り口が挙げられるでしょう。

• ビジョンと成長性：企業の将来展望や成長戦略について具体的に説明。

• 企業文化と価値観：企業文化や社会貢献活動など、給与以外の価値を提案。

• キャリア開発：スキルアップや昇進など、長期的なキャリアパスの機会を紹介。

• イノベーションの取り組み：最新技術の導入や研究開発投資などをアピールする。

note proを活用すれば、このような情報を集約してストーリーにまとめ、候補者への「コミュニケーション戦略」として打ち出していくこともできます。

note proを活用し「ストーリー」を共有しよう

noteの有料版である法人向けの高機能プランnote proを活用すれば、採用広報も気軽に始められます。

note proでは「候補者の不安解消に向けて、転職の成功ストーリーを共有する」という目的で、転職者の体験談や入社後の声をまとめた記事が多く公開されています。最後に、代表的な活用事例についてご紹介します。

株式会社フクロウラボ

フクロウラボの代表の魅力を、社員の視点から深堀し、記事にしています。「フラットな組織体制や、代表の人柄を重視したい」という候補者にとっては、リアルな代表の姿が伝わる内容になっていると思います。

また記事では、代表と関わった体験談が「社員の言葉」で直接語られています。代表の人柄だけではなく、社員の人柄も感じられるのではないでしょうか。候補者のメリットにつながる情報の出し方を、ぜひ工夫してみてください。

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