戦略の異なる5社が語る、法人note運営の秘訣。note proユーザー勉強会レポート
noteを活用している法人の担当者がつながり、知見や悩みを共有しあえる場所をつくりたい。そんな想いから、note proでは昨年より「note proユーザー勉強会」というオフラインイベントに取り組んでいます。
本レポートでは、6月26日にnote placeで開かれたユーザー勉強会について、当日のハイライトをお伝えします。
note proユーザー勉強会とは
noteで発信している法人担当者同士がつながることを目的としたオフラインイベントです。コミュニティ自体も有志のユーザーで運営され、イベント当日も幹事として運営を担っています。
noteを立ち上げたばかりの運営者が、様々な課題にどう対処したかを知りたい
今回のイベントを企画したのは、データコム株式会社の木谷 翠さんです。
noteを始めたばかりの頃、どうすればコンテンツ発信をスムーズに行えるか、何を目標に置くべきか……など、迷う場面がたくさんあったという木谷さん。
「さまざまな法人が、noteを立ち上げてどのように運営を安定させたか」を議論できるセッションにしたい、と今回の企画を立ち上げました。
イベント前半のパネルディスカッションでは、noteの運営目的も業態も異なる5社の運営者にご登壇いただき、1時間半のセッションを繰り広げました。
オープンワーク株式会社 登壇者:吉田 賢人さん
株式会社くふうカンパニー 登壇者:池森 美緒さん
株式会社西武ライオンズ 登壇者:服部 友一さん
株式会社マクロミル 登壇者:度會 早苗さん
ファシリテーター:合同会社goodbuff 水野 圭輔さん
今回、当イベント初の試みとして、バラエティ番組のように、登壇者の方に手元のパネルで回答してもらうスタイルも導入。こちらも木谷さんの発案によるものです。
参加者からも「ボードを使用した質疑応答が分かりやすかった」との声が上がっていました。
パネルディスカッションの内容も、少しだけご紹介します。
よく読まれた記事は?社内の巻き込みはどうやった?さまざまなお題で取り組みをご紹介
noteの担当者が直面することの多いお悩みやお題について、それぞれのゲストの取り組みや考えをお話しいただきました。
最初のテーマは「noteの立ち上げで困ったこと」。
先輩運営者としてお招きしたマクロミルさん(2020年より運用開始)では「社内の認知」が課題だったそうです。
「noteって本当に効果はあるの?」「コロナ禍という大変な時期に予算を使うべきか」といった声も挙がるなか、社内の発信が上手なメンバーの力を借りながら社内イベントを開催したり、ガイドラインを用意したりすることで、数ヶ月かけて社内の理解を得ていったそうです。
▼マクロミルさんのnote運営についてはこちらの記事もご覧ください
また今回の企画者でもあるデータコムさんからは、KPIのすり合わせに苦労されたとのお話がありました。RSS連携で自社サイトとnoteの相互送客を促しながら、両方のPVを合わせて見ていくことに落ち着いたそうです。
「よく読まれた記事は?」というテーマのセッションでは、実際に各社のnoteを見ながらゲストに振り返っていただきました。
採用広報を目的とするくふうカンパニーさんは、新卒エンジニアへのインタビュー記事を紹介。
新卒採用が始まるタイミングに合わせて記事を出したことで、候補者の方に見てもらうことが増え、今まで面接中に受けていた質問が来なくなり、より深い対話ができるようになったとのこと。
また、若手にも採用に関わってもらうことで、現場のメンバーと「こういう方に入ってもらえるとよさそう」といった目線合わせができ、副次的な効果もあったそうです。
新入社員が手を挙げたことで始動した西武ライオンズさんのnote。運営の服部さんからは「選手やチームの記事が多く読まれるかなと想像していたが、意外にも事業やビジネスについて取り上げた記事がよく読まれている」というお話がありました。
プロ野球の交流戦の時期には、ふだん本拠地であるベルーナドームにはあまり来ないセ・リーグのファンも多く訪れるそうですが、そうしたビジターの観戦者に向けて書いた「【2024年最新】ライオンズ広報が本気でおすすめするベルーナドームのグルメ【1塁側編】」が、SEO評価の高さも相まって多くの読者に読まれているとのことです。
各ゲストから「思ったより読まれなかった記事」もご紹介いただきましたが、各記事のタイトルや冒頭の書き出しに対して、ファシリテーターであるgoodbuffの水野さんからアドバイスをいただく場面もありました。
毎回ユーザー勉強会で議論の的になるテーマといえば、「社内を巻き込むためにやってよかったこと」。
オープンワークさんからは「全社員が集まる全社ミーティングで、毎月記事の告知をする」というお話がありました。
以前より編集部では社内の巻き込みを意識しており、社員とnoteとのタッチポイントを増やすことを目指しています。さまざまな書き手を巻き込む一方で、ブランドイメージを損なうことのないように、記事のフォーマット(サムネイルやトンマナなど)の整備などにも同時に取り組んでいるとのこと。
最後には質疑応答の時間も設けられました。
「今後の中長期的な目標は?」という参加者からの質問に対しては、「オープン社内報としても活用したい」「noteと他媒体とのメディアミックスの拡張」「人事部全員で執筆!」など、さまざまな目標が提示されます。
他にも「サムネイル画像はどうしてる?」「記事の企画を立てるスケジュール感は?」といった具体的な質問があがり、時間いっぱいまで白熱したセッションとなりました。
参加されたみなさまからのコメントを紹介
参加者やご登壇いただいたゲストの方々、幹事メンバーのみなさんのコメントを一部紹介させていただきます。
〈参加者〉
〈登壇されたゲスト〉
マクロミル 度會さん
各社異なる目的のもとさまざまな工夫をされており、私自身も大変学びが多かったです。実践してみよう!というヒントを持ち帰ることもできました。普段抱える悩みを参加者皆さんで相談し合えたり、時には共感し合えたりと、大変有意義な時間でした!
西武ライオンズ 服部さん
まだnoteの運用を始めて半年足らずの若輩ですが、このような場にお招きいただき大変光栄です。まだnoteの機能や特性をフル活用できておらず、試行錯誤の毎日です。参加された企業の皆さまも拝見し、自社のnoteをもっと成長させていきたいと思います。
参加された企業の皆さまの参考になっていれば良いのですが、皆さまと情報交換をさせていただけたのが何よりの収穫でした。
オープンワーク 吉田さん
note proの運用を本格的に始めてからはまだ1年も経っていない中で、この度はこのような素敵な機会にご登壇させていただきありがとうございました。自分が登壇者となることで日々行っていることの整理かつ他社様の様々なTipsや各社の思いを聞けたのは大変貴重でした。また、参加いただいた皆様と情報交換もできて大変満足です。ぜひ今後もユーザー同士が関われる機会をご提供いただけると嬉しいです!本当にありがとうございました。
くふうカンパニー 池森さん
noteを始めて半年強です。これまでやってきたことの棚卸ができ、改めて記事において何が重要なのかを言語化できる良い機会でした。さらに水野さんからアドバイスをいただいたり、各社のnoteに対するスタンスや想いを知ることができたりする機会は滅多にないので是非また参加したいです。
データコム 木谷さん(イベント企画者)
今回のイベントにてご登壇いただいた企業のみなさま、イベント幹事メンバーのみなさま、そしてnote社のみなさま。本当にありがとうございました!
このイベントは過去に実施している形式と違い、複数社の方を一度に集める企画だったこともあり、そもそもゲストの方が来てくれるのか?イベント自体に参加してくれる企業様はいるのだろうか?と不安がたくさんありました。
しかしnote社およびゲスト企業の方々、幹事チームの方々に多大なご協力をいただいたことで、盛況のうちに終えることができました。みなさまには感謝の気持ちでいっぱいです・・・!
イベントの内容については、弊社自身まだ運用スタートから1年も経っていないことや、BtoB(+一部採用)と目的が広いため、各社の運用方法やブランディング、デザインなど大変勉強になりました!今回学んだ内容を早速自社noteに生かしつつ、引き続きnote運用担当としてnoteを盛り上げていきたいと思います!
▼データコムさんはさっそくレポートを書いてくださいました!
〈幹事メンバーのみなさん〉
ランスタッド 長谷川さん
今回は複数社の方がご登壇され、同じ質問に対し、それぞれの取り組みをお伺いすることができて勉強になりました。企業ごとの記事公開までのフローや、表現に対する考え方、社内の巻き込み方を知れたので、自社のnote運用にも活かしていこうと思います。
レオス・キャピタルワークス 長尾さん
いろんな企業担当者の話から「そうだったのか」「なるほど、わかる」と気付くことがあるので、どこから手をつけていいか分からない&そもそも何が課題なのか分からないという方にもおすすめの勉強会です。私がまさにそうなので、今回も沢山学びがありました!
セントラルユニ 町田さん
運用歴も運用目的もちがう皆さんが集まることで、多角的な視点で学ぶことができました。共通の質問にホワイドボードで回答する形式もユニークで、90分があっという間の満足度の高いイベントでした。
Hubble 白木さん
弊社もnote pro利用から1年半程度のため、同じような課題や悩みに当たることが多く、非常に参考になる勉強会でした!
フラー 土屋さん
企業でnoteを運営しているみなさんのリアルな声をたくさん聞けて、とても学びが深い時間でした。
サイボウズ 田平さん
初アメトーーク形式だからこその登壇企業の皆さまのバリエーションあるお話、エピソードに学びと納得感、共感ばかりの内容でした。
日本気象協会 加藤さん
noteを運営している目的や企業のスタイルはそれぞれに異なりますが、共通の課題や共感できる部分が各所にあり、参加者の皆さんにとっても、何かしらの気づきがある会だったのではと思います。
おわりに
企画者・木谷さんの「ぜひお話を聞いてみたい!」という思いで実現したイベントでした。
note proユーザーコミュニティは、今後もイベントなどを通じて、運営者さん同士のつながりを作ることを目指しています。note proをご利用のみなさまには、ぜひ一度、会場で他社の方々と交流してみていただきたいです。
また、本コミュニティを推進する幹事グループについても、情報交換や交流会を一緒に楽しんでくださる方を募集しております。興味をお持ちいただけましたら、note proカスタマーサクセスチームまでご相談ください。
編集後記
noteの運営目的も業種も異なる企業同士の座談会、しかも(過去には例がない)5社ものゲストが登壇されるということで、当日までドキドキしていましたが、まったくの杞憂でした。
運営スタイルが違っているからこそ多様な活用例に触れることのできる、とても充実したセッションになったと思います。
この場を借りて、登壇者のみなさま、幹事グループのみなさま、お越しいただいた参加者のみなさまに感謝申し上げます。
写真:白木 奈緒さん(株式会社Hubble)
文:漆畑 美佳(note株式会社)