効果的な採用ペルソナの作り方【3つの問いで簡単作成】
マーケティング分野でよく耳にする「ペルソナ」とは、「商品・サービスを利用する顧客モデル」のこと。顧客イメージを具現化するために架空の人物像を作り、マーケティング戦略を実行する手法として使われています。
一方、「採用ペルソナ」とは「採用したい人物像」のこと。年齢や性別、学歴、職歴、価値観などから浮かんでくる「ひとりの人」をイメージし、作っていくものです。
今後は労働人口が減り、採用競争がより激しくなっていくと予想されています。自社にマッチした人材を採用するには、マーケティング発想を取り入れた採用活動が不可欠です。今回は、採用ペルソナを作るメリットや、設計の仕方について詳しくご紹介します。
人材獲得を成功させる採用ペルソナとは?
採用ペルソナを設定するメリット
採用ペルソナが設定できれば、「求める人材」についてより具体的に言語化できるようになります。求人作成に必要な情報や、面接での質問内容なども統一しやすくなり、効率の良い採用活動が期待できるでしょう。その結果として、採用のミスマッチが防げるようになるかもしれません。
ペルソナとターゲットの違い
採用ペルソナと似た言葉に「採用ターゲット」があります。
採用ターゲットは、年齢、性別、職歴などの属性によって大まかに絞り込まれます。
30代前半
男性
5年以上の営業経験あり
採用ペルソナは、採用ターゲットよりも詳細な個人像をイメージします。
32歳
男性
前職は新規開拓営業のトップセールス
休日は趣味のマラソンで、体を動かすのが大好き
採用ペルソナによって具体的なイメージが共有されると、認識のズレが小さくなるため、採用成功につながりやすくなるのです。
3つの問いで「理想の人物像」を考える
では、実際に採用ペルソナを設計してみましょう。次の3つの問いを通じて、自社の求める人物像を考えてみてください。
Q1|求める人物に欠かせない要件は?
まずは「採用したい」と思う人物の要件を明確にします。リアルな想像をするためには、現在活躍している社員へのインタビューが最適でしょう。
例えば、以下の情報をもとに、要件を言語化していくことをおすすめします。
Q2|その人物は、どんな人ですか?
Q1で挙げた要件から、さらに具体的な人物像のキーワードを絞り込みます。
3つの要素を組み合わせ、立体的な人物像を描いてみましょう。
Q3|現場の声とズレていませんか?
最後に、採用ペルソナが「現場のニーズ」と合っているかどうかを確認します。経営層と現場の描く採用ペルソナが異なる場合は、見直しが必要です。
また、実際に採用活動を進めてみたものの「求める人材となかなか出会えない」というケースに直面する可能性もあります。
そうした際にも、この3つの問いを伴うプロセスを通じて改善を試み、採用ペルソナの精度を高めていきましょう。
採用ペルソナの精度を高めるには?
採用ペルソナの精度を高めるには、次の3つの視点を持っておくと良いと思います。
① 自社の魅力を客観的に知る
「自社の魅力を正確に把握すること」はできているでしょうか?客観的な視点を持っている可能性が高い「入社したばかりの社員」に協力してもらい、率直な意見を聞いてみるのが効果的です。
仕事内容や事業の将来性、社員の雰囲気、社内カルチャー、福利厚生などの魅力を多角的に捉えてみてください。
その上で、採用ペルソナが「この会社に入社したい!」と思う要素を反映させます。
② 採用ペルソナを複数パターンで考える
採用ペルソナは、2〜3パターンあってもかまいません。
主力事業を支え、即戦力となる人材
将来の幹部候補となる人材
新規事業を牽引する革新的な人材
など、部署やポジションごとに分けた複数の視点で設定してみるのも良いでしょう。多様な人材が採用できれば、「組織の活性化」が実現できます。現在のニーズと、将来のビジョンの両方に対応した採用戦略を立てることも可能なのです。
③ 最近のトレンドを把握する
仕事に対する意識や価値観は、社会とともに変化しています。それに合わせて、採用ペルソナも常に更新が必要です。
最近では、給与や待遇よりも「仕事のやりがい」「成長環境」を重視する求職者が増えてきました。また「スキルアップの機会」「副業」「リモートワークの導入」など、新しい働き方への関心も高まっています。こうした最新のトレンドを採用ペルソナに反映させ、求職者のニーズにあった採用活動を進めていきましょう。
note proで採用ペルソナに届く記事を!
法人向けの有料プランであるnote proを活用すれば、採用ペルソナに向けて「自社の魅力」を伝えることができます。具体的に読んでいる相手をイメージした記事を書くことで、情報がよりリアルに伝わるはずです。
株式会社キュービック
こちらの事例は、UI/UXデザイナーが推薦する「仕事を効率良く進めるための書籍」の紹介記事です。
社員のプロフィールはもちろん、参考になると感じた点が「その人ならではの視点」で紹介されています。社員一人ひとりの個性も伝わり、同じ課題を感じている求職者からも共感が得られそうです。
また、「採用ペルソナは、こんな本を読んでいる人かもしれない」と想像すると、さらにイメージがしやすくなるのではないかと思います。