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noteは、会社にとっての「縁側」みたいなもの—— Kaizen Platformのnote proは、会社の内と外を交流させるメディアとして進化し続ける #noteクリエイターファイル

株式会社Kaizen Platform(カイゼン プラットフォーム)は、「顧客体験をカイゼンする」をミッションに、ウェブサイトや、広告などの改善を手がける会社です。CEOの須藤憲司さんは、リクルートで当時最年少の執行役員となり、その後、米国シリコンバレーでの起業を経て、Kaizen Platformを立ち上げました。さまざまなウェブサイトのグロースを手掛ける「カイゼンのプロ」がなぜnoteを選んだのか、どのように使っているかを須藤さんに伺いました。

面白いコンテンツは、ふだんの仕事の中にある

ーーまずは、Kaizen Platformはどんな会社なのかを教えてください。

須藤 クライアントのDX(Digital Trans=デジタル・トランスフォーメーション)とUX(ユーザー・エクスペリエンス)の改善をお手伝いしています。

僕はリクルートに10年いて、フリーペーパーや雑誌などの紙媒体がデジタルになっていく「デジタル・トランスフォーメーション」をずっと見てきました。自分自身が古いシステムに悩まされた経験を元に、お客様の課題を改善するサービスを作ろうとKaizen Platformを立ち上げました。

ーー運営されていたオウンドメディアを、noteにお引越しいただけたのは何故でしょうか。

須藤 noteに移行した理由は3つあります。

1つは「コンテンツが主役」だ、ということです。もともと僕は「BtoBのコンテンツはイケてないよね」と思っています。インターネットでは、企業のコンテンツはほかの面白いコンテンツと比較される。役に立つ面白い記事が集まってくる場所に、BtoBの自分たちのイケていないコンテンツを並べるのは、コンビニの店頭につまんないものが並ぶみたいで、ただの悲劇ですよ。

そして、ほかの記事と並べても遜色ない面白いコンテンツは、企業の日常、僕らの仕事そのものにある。お客様がふっと笑う瞬間とか、悔しい体験とか、改善できなかった失敗談とか。企業のブログでもコンテンツが主役になれるんです。noteはシンプルで、コンテンツを主役にするのにいい場所だな、と思いました。

2つ目は、noteにはファンを増やせる仕組みがあることです。

いまどき、ブログを「RSSリーダー」に登録して読んでいる人は少ないようです。すると、スタンドアロンの企業ブログにコンテンツを置いておくより、人様に読んでもらえるところに出したほうがいい。noteでは、読者がその記事が面白いなと思ったら、フォローしてもらえる。これは大事ですよね。何でみんなやらなかったんだろう。

3つ目、noteには制約がありますよね。ブログと違って、できないことがいろいろあるけど、その分、余計なことを考えないでいい。僕らは、フォームを埋め込みたいとか、リクエストしたいことはいろいろある。でも、あれこれできないからこそ中身が面白くないといけない。

ーー須藤社長は個人としては2016年からnoteを使っていただいていますが、会社としてnoteを導入しようと思われたきっかけを教えて下さい。

須藤 もともとは、WordPressでオウンドメディアを構築していました。ただ、今では、僕は「独自でCMSを用意することには、余程特別な事情がない限りたいした意味がないな」と思っています。やっている方には、申し訳ないんですけど。

従来の、B2Bマーケティングを目的としたコンテンツは、ほんとにイケてないものが多いです。SEOを目的に「コンテンツをたくさん作ればいい」みたいに言う人もいますが、「読み手のことを考えないコンテンツをいっぱい作ったところで、誰が読むんだろう」と思ってしまうんですよね。

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「書きたいことがある」社員の記事は読まれる

ーー2019年5月から、note proを始めていただきました。このnoteの目的はなんでしょうか。

須藤 note立ち上げに合わせて、外部向けの「Kaizenワークス」とオープンな社内報である「Kaizenタイムス」に分けました。「Kaizenワークス」は事業の事例紹介です。読んでいただき、お仕事の問い合わせをもらうイメージです。

普段、マーケティングからの受注率ってそこまで高くないんですが、中には、物凄い受注率が高くなる商談が存在しています。それは相談から始まる商談です。なので、「商談」以上に「相談」してもらえるとありがたいわけです。

お客様のデジタルビジネスの改善をひたすら試行錯誤してきた実績の中で、単に集客方法を改善するだけでは伸び悩む瞬間を多々経験してきました。noteでその事例を共有することで、相談してもらうことを目的にしています。

もうひとつの「Kaizenタイムス」では、社員の紹介や、勉強会の様子をレポートしたり、うちの会社が何を考えているのかを紹介する。こちらは採用が目的です。

ーー効果はどうでしょうか。

須藤 フォロワーが順調に増えていて、編集部的にも嬉しいです。PVで一喜一憂するだけでは、つながっている感じがなく面白くないものです。もちろん、noteを介した仕事の問い合わせや採用目的もありますが、それ以上に「我々がメディアを持っていて、お客様に話を聞きに行ける」ことがいいなと思っているんですよね。

コンテンツを作りたいから取材を申し込むんですが、お客様の話が聞けてよかったと感じるのは自分たちなんです。「いい取り組みだったな」「こうやって喜んでもらったんだね」とか、みずからお客様の声を聞けることが一番の効果じゃないかなと思っています。

ーー誰が執筆しているのでしょうか。

須藤 僕も書きますし、インターンもふくめた社員が書いています。僕が一番積極的かもしれないです(笑)。だけど、実際に書いてもらうと、社員の記事の方がPVが伸びるんですよ。

なぜかというと、要は「書きたいこと」があるからなんです。コンテンツって意思がないとクッソつまんない。BtoBの記事が面白くないのは、書き手の意思が出ないからなんでしょうね。コンテンツは書き手のエモーショナルなところや、キャラクターが垣間見られるのが面白いわけだし、そうじゃないとうまくいかないと思ってます。

例えば、この記事は、書きたくて書いているのが伝わってきます。

これも、今年の4月、緊急事態宣言の少し前に「みんな外に出られなくなるから、絶対に書こう」と決め、取材してもらった、意思があるコンテンツです。

ーーSNSなどでみずから発信するカルチャーは社内にありますか?

須藤 お笑い芸人のキングコング西野亮廣さんが、「仕事を丸投げするときは、その人が書いた文章を読めばいい」と話していて、確かにその通りだなと最近思うようになりました。文章は書いた人の人間性がでるから、「この人、気が利かないんだろうな」とか、わかってしまうんです。法人も同じで、文章とかソーシャルコミュニケーションは大事だと思っています。

ですから、社員には「どんどん執筆した方がいい」と言ってまして、自主的にコンテンツを書く勉強会もやっています。まだnoteで記事を書いたことがない人も、びっくりするくらいいますから、きっともっと伸び代がある気がします。noteは、みじかい文章しか残せないSNSとはまた違って、書き手のキャラクターや性格が見えてくる事が面白いんです。当社には、面白いキャラクターが一杯いるんで、もっと出てきて書いてほしいなと思ってるんですよね。

noteは会社の「縁側」

ーーーnoteの開始から数ヶ月、運用体制を変更したことを明かしたnoteが印象的でした。途中から編集部を置いたんですよね。

須藤 僕は社長であって、編集の専門家ではなく、もっとほかにやるべきことがあります。そこで、信頼できる編集プロダクションに依頼し、編集担当をひとり、立てました。

ーーネタの選び方はどうしていますか。

須藤 社内で役に立ったことって、きっと他の人にも役に立ちますよね。自分たちの活動や、いろいろ調べたこと、そこからの副産物は、外に出して共有した方がいいと思うんです。例えば、「サードパーティーでクッキーが使えなくなるよ」という情報なんかもそう。社内ブログで弊社のCTOが書いていたので、これはぜひ記事にしようと提案しました。

日々企業活動してる中で、コンテンツは山ほどあります。ただ、外に出してないだけなんです。そういうものをちゃんと発信する。例えていえば、noteは、会社の「縁側」みたいなものです。最近noteの他にも、オンラインサロンを手がけているのですが、どちらも、会社のなかに縁側を作る感覚です。会社の外と内とのあいまいな境界を作るような。

会社でやっていることは、もちろん全部を開示することはできません。しかし縁側みたいに、空間があって、人が入ってきて、お茶を飲んで帰る、みたいな場所をつくってみる。企業って普通は部外者が中に入ることはありませんが、やってることを知ってもらえることは大切だと考えています。

ーーこれからnoteを始めようと考える会社で、「何を書いていいのかわからない」と悩む方にアドバイスはありますか?

須藤 日常を切り取るということじゃないですかね。普段当たり前にやっていることで、ほかの人が見たら面白いところを探す。おもしろい記事を書こうとか、受けを狙ったりとか、会社の発信だからきちんとしなくちゃとか、第三者的なことを気にすると、書けなくなるんです。義務感ではなく、「書きたい」「伝えたい」という想いや意思が大切ですよね

ーー切り口を普段から探すということですか?

須藤 企画会議で「うーん」と考え込んだら面白くないんです。そうなると、週刊誌とか月刊誌の企画の劣化版になってしまいます。

ーー更新ペースや KPIなど、数字目標はありますか?

須藤 無理には書かず、「書きたいことがあれば書く」スタイルです。今は本数さえ管理していなくて、たくさん書きたいことがあるときは、たくさん出せばいいと思っています。ページビューの目標はありませんが、1万フォロワーを目指しています。

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人は、後で読むために記事をシェアする

ーー言うまでもなく、Kaizen Platformさんは「ウェブ上でいかに読まれるかについて」のプロでもあると思います。広く読まれるために、工夫していることはありますか?

須藤 ソーシャル上でシェアされたときにどうなるか? を考えてます。記事は「ショルダーとタイトル、そしてサムネイル画像」の3点セットで内容の概況がわかります。さらにそれを信頼できる人が書いていたら、シェアしてくれるんです。結局、人って記事を全部読まないで、後で読むためにシェアすることが多いんです。

だから、タイトルだけで、このコンテンツが何を言おうとしてるかわかるとシェアされやすい。弊社のnoteはサムネイルもちゃんと考えて作っていて、タイムラインに並んだときも想定した、ワンセットのデザインにしています。だから、タイトルとサムネイルは、数値を見ながら、結構変えてます。

投稿する時間帯にはあんまりこだわっていません。自分で書く時は朝5時とかの朝のタイムラインに表示されるように投稿してます。それは自分が活動する時間に、シェアしやすいからです。

それから、読後感にもこだわってます。読者に「結局何が言いたかったんだっけ」と思わせないために、「まとめ」を文末に記載したりして工夫しています

ーーnoteを続けるうえで、大変だったことはありますか?

須藤 軌道に乗せるまではやっぱり大変でしたね。お客様の事例インタビューや、インターンに書いてもらおうとか、本数もコンスタントに1週間に1本以上を目安に記事をアップしていました。

いま、改めて当時のラインナップを見てみると、まだ「作ってる記事」という感じがしますよね? もっとカジュアルでいいのに。最近はこなれてきて、これを出したいんだ、という明確な意思がある記事が増えてます。「コンテンツを捻り出さないと!」という使命感で取材してたときとは違ってきています。

最近は、企業活動のなかにネタをさがします。予定されているイベントを記事にしようとか、あのお客さんに取材してこれ聞こうよとか、その都度、指示を出しています。はじめはどういうときに取材を頼んだらいいのか? なども、社内に伝わってなかったんですが、今はある程度、感覚を掴んできた気がします。

ーー今後はどのようにnoteを使っていく予定でしょうか。

須藤 noteの良さはファンを増やせることですから、コツコツつづけていけたらいいなと考えています。ふだんの仕事って、他の人から見たら充分面白いコンテンツなんですよね。自分の仕事を説明するなんて、機会がなければやらないものですけど、仕事してるメンバーにとっても自分の仕事を棚卸しする意味でも、とてもいいことだと思うんですよね。なので、出来る限りみんなにやってもらいたいと考えています。

もうひとつは、スタッフひとりひとりの「こうしたいんだ!」みたいな欲とか意思が伝わってくるコンテンツもいいなと思っています。この両軸でコンテンツを増やしていきたいです。


■プロフィール

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須藤憲司 株式会社Kaizen Platform 代表取締役
2003年に早稲田大学を卒業後、リクルートに入社。同社のマーケティング部門、新規事業開発部門を経て、リクルートマーケティングパートナーズ執行役員として活躍。その後、2013年にKaizen Platformを米国で創業。現在は日米2拠点で事業を展開。企業のDXを支援する「KAIZEN DX」、Webサービスやモバイルや動画広告などのUI/UX改善をする「KAIZEN UX」を提供。
<著書>
「ハック思考〜最短最速で世界が変わる方法論〜」 (NewsPicks Book)
「90日で成果をだす DX(デジタルトランスフォーメーション)入門」(日本経済新聞出版社)

■クリエイターファイル

Kaizen Platform公式note
デジタルでビジネスを変える、デジタルトランスフォーメーション(DX)の専門家 Kaizen Platformです。https://kaizenplatform.com/
note:https://media.kaizenplatform.com/
interview by 水野圭輔 text by 野本響子 photo by 森川亮太(箕輪編集室)

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