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「企業の中の個人」の情報発信は、企業にとっての「資産になる活動」——フィードフォースが社員のnoteを応援する理由 #noteクリエイターファイル

株式会社フィードフォースは 2006年設立のIT企業。「働く」を豊かにするーーをミッションに、企業やBtoBのデジタルマーケティングを業務とし、データフィード最適化をサポートする「DF PLUS」や自社EC自動集客サービス「EC Booster」などのツールを提供しています。採用広報のために1年前からnoteを使い始めました。

常に新しいものを生み出し続けていくカルチャーの企業が、なぜnoteを選んだのか、そしてなぜ企業の情報発信が必要なのか。人事兼広報の渡邉康晴さんにお話を伺いました。

転職サイトでの採用活動が難しくなってきた

ーー2019年9月からnoteを開始されました。立ち上げの経緯から教えてください。

渡邉 はじめの目的は採用広報でした。シンプルに情報発信を強化したかったのが理由です。

フィードフォースは社員90人くらいの会社なのですが、6年で社員が3倍になり、常に人材不足に悩まされてきました。すぐにでも人がほしい状況が続き、中長期での展開を考える余裕がなかったとも言えます。

1年前に「採用を頑張ろう」となったときには、いわゆる通常の採用活動として、一生懸命、転職サイトで手動のスカウトメールを送っていました。効果はそれなりにあって、応募もあつまり採用もできていたのですが、それがいま、だんだん厳しくなってきています。

最近では、優秀な人ほど転職サイトを使わず、自分で調べたり、Twitterでの転職をしています。ですから、一方的にスカウトを送り続けるやり方だけでは厳しいのです。

そこで、一瞬で終わる活動ではなく、中長期的にコツコツ積み上げていって、何年か先に効果が出るような「資産となる活動」をしたいなと思ったのが始まりです。

ーー確かに、いまは「採用広報」を目的にnoteを始めるお客さまが多いです。なぜnoteにしたのか、具体的な経緯を教えていただけますか?

渡邉 2年半前くらいに、別のブログでオウンドメディアを1年半運営していました。ところが、そのプラットフォームに規約変更があり、使い続けられなくなってしまったのです。いろいろ検討した結果、noteに乗り換えました。そこから、1年使ってみて、温度感がつかめてきた感じです。

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公式よりも、社員個人の主観的な情報発信のほうが、読まれる

ーーどのように運営されていますか。運営体制とnoteへの切り替えの実際のところを教えてください。

渡邉 当初は、note専用の編集部を作って、数人で公式noteの発信をしていましたが、紆余曲折あって、いまは私一人だけでやっています。デザイン面では社内のデザイナーが兼務しています。

以前はオウンドメディアのまとめ記事など、客観的な記事がメインでした。ところが、noteを続けてみて、主観的な記事の方がいいのかなと感じるようになりました。そこで今後は公式アカウントでの発信は減らし、社員個人の情報発信に舵を切っていく予定です。

ーー会社の公式noteなのに個人の情報発信に舵を切るとは、思い切りましたね。

渡邉 1年やってみて、公式で書いた記事より、個人の発信のほうが読まれやすいし、共感されやすいという感触があります。私は個人アカウントでもnoteを書いていますが、肌感覚でそう感じます。

社員個人が書いているコンテンツをみて、いい会社だな、どんな会社だろう、という流れがありますよね。たとえば、UI/UXデザインやソフトウェア開発を手掛ける株式会社グッドパッチのpenpenさんがnoteで、いろいろな角度から会社を語り、よいコンテンツになっています。そのように社員がそれぞれの立場で記事を書けば、どれかには共感するものが出てくるので、その面を増やしていきたいですね。

もうひとつ追い風なのは、リモートワーク前提の社会になってきて、「書くこと」がこれまで以上に大事になってきたことです。これからはどんな職種でも、情報発信ができることは重要になります。社員の情報発信を応援してあげたいと思っています。

ーーしかし「個人で発信しよう」と言っても、なかなか「はい、やります」とはならないのでは。発信するカルチャーはどうやって作っていますか。

渡邉 そこはまさにいま、取り組んでいるところです。

前提として、当社のスタッフは、社内イントラネットでの情報発信はめちゃくちゃたくさんしています。社内での習慣は根付いています。ただ、シャイな人が多くて「俺が俺が」という風には、なかなか発信したがらないのです。そこで、僕が社員の情報発信の「応援団長」になると宣言しました。

まずは、noteに興味ある人、一記事だけでも書いたことがある人に声をかけて、ネタ出しなどのサポートをしています。

そこで、社内Slackの「noteチャンネル」にネタ出しの機能をつけました。上記の記事にも書きましたが、Slackの#note チャンネルで雷マークを押して、「noteに書くネタが思いつかない」を押すと、フォームが開いて、ネタ出しの相談ができるようになっているのです。これが、わりと使われてます。

また、チーム単位での情報発信も後押ししています。チームの事業内容や事業の特徴などをチームメンバーが発信するお手伝いですね。

ーー経営陣には理解を得られていますか?

渡邉 チーム単位での情報発信については、会社の経営陣とも「情報発信は必要だ」と合意が取れていますから、これといった苦労はしていません。あるとしたら、経営陣にもnoteを書いてもらいたいということですね。トップが書くと社員も書くようになるという流れもあるだろうから、それをやりたいです。ただみんなシャイなんです(苦笑)。

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新卒採用に効果が出ています

ーーnoteをはじめてよかったことはなんでしょうか?

渡邉 わかりやすいところでは、新卒採用に効果が出ました。弊社を受ける学生の会社理解度が高くなってきています。また、面接後の質問でも「noteでこれを読んだのですが」などと、文脈を汲んだ上での質問が出るようになりました。

面接の合格連絡では、フィードフォースのことを理解しやすいnoteの記事をセレクトして案内しています。印象的な出来事としては、内定を連絡した学生が、公式と個人両方のnoteの全記事を読んでくれて、1週間かけてスキをつけてくれたことですね。

ーーそれまでも発信はしていたが、さらに読まれている実感があるということですか。

渡邉 以前のブログ時代との違いは、学生が社員個人のnoteも読んでくれていることです。

中途採用についても、スカウトメールにnoteの記事をつけていて、このチームのこの職種にはこの記事、と送るようにしています。今後は中途採用に向けた記事にも注力したいと思っています。返信率が高くなる記事を作りたいです。

ーー毎月何本くらい更新していますか。

渡邉 個人の発信を推進する前と後で変わってきました。前は公式で月5本が目標でした。今は社員の発信をまとめた「フィードフォースみんなのnote」マガジンを作っていますが、この個人の発信を充実させていきたいと思っています。公式で月2、3本と、個人の記事を月3本以上は生み出したいですね。

ーー若手社員に自由に書いてもらうのは、勇気がいるのでは?

渡邉 発信自体は自由で、とくにチェックはしていません。ただし、社員個人の発信をフィードフォースのnoteに入れる場合と入れない場合があり、入れる場合だけ、多少はチェックします。それ以上は、まあいいかなって思います。

いまサポートしているのは書けない人や書くのに慣れてない人、または一生懸命書いたのに読まれないケースです。希望者にはクオリティチェックをしています。テーマを選んで読みやすい文章にしています。

辞めた社員にも記事を書いてもらっている

ーー反響があった記事を教えてください。

渡邉 こちらは新卒1年目の社員が書いたものなのですが、読んでいて、シンプルに誇りに思えました。いい記事です。フィードフォースにはいい社員がいるので、もっと知ってほしいなという気持ちになりました。これはTwitterでもシェアされて、やる気になったと思います。

次の記事もリファラル(紹介採用)の魅力を伝えてくれたことで、印象に残っています。二人が前職も一緒で、リファラルした人とされた人による記事なんです。

また、ほかではなかなかないと思いますが、フィードフォースを辞めた人のインタビューもあります。辞めた後の関係性がいいからこそ、つくれた記事でした。

今後は、数を減らすぶん、クオリティを上げたいのですが、”クオリティが高い”の定義を「社員が読んでおもしろい記事」にしたいと思っています。

社員が面白いと思えば、それまでためらっていた人も「自分も書こうかな」とか、「インタビューを受けようかな」と思うのではないでしょうか。

実は「公式は読まれない、個人で書いたほうがいいな」と気がついたとき、「では公式ってなんのためにあるんだろう?」と考え込んでしまったんです。なので公式の立場としては、社員を一番のターゲットにしてしまったほうが、結果的に社外にも広がっていいのかな、と思います。

たとえば「フィードフォースな人々」マガジンでは社員にインタビューをまとめていますが、この記事をみんな好意的に受け取っていて、記事を出すと「この人こんなことやっていたんだな」と社員同士で理解が進むのでいいですね。

その延長線上で現在、育休中社員5名だけをターゲットにした記事もつくりました

ーー個人の発信についても教えてください。渡邉さんは、「人事のなべはる」さんとして、個人でnoteやブログ、SNSを積極的に発信されてますよね。使い方を教えていただけますか。

渡邉 Twitterは10年以上前から、ブログは2015年からはじめ、1年前からnoteに移っています。数えてみたら、5年で200記事書いていました。数をこなすと見えてくることがありますし、アドバイスがしやすくなる。その意味では、個人でやってよかったと思います。

ーー人事のお仕事だけでもお忙しいのではないでしょうか。通常業務での割合はどうでしょうか。

渡邉 気持ち的には半分より多いくらいですが、実際の業務時間としては、3、4割でしょうか。人事の仕事は幅広くて、私は人事とは、会社が良くなるために、なんでもやる人だと思っています。いまは情報発信が大事なのでやっているという感じです。社歴がそこそこあるので、社員とのつながりが多いというメリットもあります。

別人格を作り第三者的な視線で考えるとネタが出る

ーーネタ切れはどうやって乗り切っていますか? 継続するコツはありますか。

渡邉 僕はネタをめちゃくちゃ思いつくんです。会社って、長く働いていると当たり前のことが、入りたての人にとっては、当たり前ではないことが多いですよね。そこで自分で書くときは、別人格を作って第三者的な目線で考えるとネタが出てきます

例えば、フィードフォースでは社内異動を募集したら8人が立候補して7人が異動したんです。これって、うちの会社では当たり前なのだけれど、すごいことなのかなと思います。

渡邉 それに第三者的な目線で考えると、この人だったらこういうネタを書けばいいのに、とアドバイスもできます。いま15人をサポートしていて、ようやく一人目が書きそうな感じです。会社のマガジンとして取り上げるかどうかは別にして、彼らのnoteが読めると思うと楽しみです。

それから、Twitterをやっていると感覚が磨かれて、みんなが何を聞きたがっているのかが、わかるようになるので、おすすめです。

ーーKPIの目標数値はありますか?

渡邉 参考数値は、公開した記事の初月スキ数30以上だとGood、50以上だとGreatと設定して参考にしています。ビュー数を目標にすると、どうしても「バズる記事」を狙ってしまうので、あくまでも参考です。

ーー最後に、noteのよさはどんなところでしょうか。

渡邉 noteに決めたときは、ここまで個人の情報発信を意識していなかったのですが、社員個人の発信にフォーカスしたいまのやり方は、noteでしかできないと思います。また、簡単に始められて、続けられるのがいいですね。凝ったデザインとか自分で何もやらなくていいのが、いいところです。

冒頭でも述べましたが、これからは、これまで以上に個人が書くことが大事になります。私たちの取り組みも、何年か先に効果が出るような「資産となる活動」の第一歩となればと思います。


■プロフィール

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渡邉康晴 株式会社フィードフォース 人事部マネージャー
大手企業の人事を経験後、2014年にフィードフォース1人目の人事として中途入社。入社以来、採用・育成・人事制度・労務など幅広い業務に携わり、2020年6月から会社公式note編集長を務める。Twitterやnoteでは「人事のなべはる」として活動中。

■クリエイターファイル

フィードフォースのnote
「働く」を豊かにする会社フィードフォースの公式note。 フィードフォースの事業・人・社風・制度などをバラエティ豊かに発信します。
note:https://media.feedforce.jp/
interview by 水野圭輔 text by 野本響子

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