見出し画像

マーケティングのプロ集団 トライバルメディアハウスが、自社ブログからnoteに切り替えた理由 #noteクリエイターファイル

トライバルメディアハウス(以下トライバル)は、2007年に設立したマーケティング会社です。ソーシャルメディアマーケティングを中心に、大手企業のマーケティング戦略立案や実行支援、自社ツール開発などを幅広く手がけています。そんな同社がnoteを開設したのは、2019年7月。コーポレートサイトの目立つ箇所にnoteアイコンを掲げ、公式メディアとして本格的にコンテンツ制作を手掛け、ひろく読まれています。

当初の課題は「何をやっている会社なのかわからない」と言われることと、コーポレートサイトへのトラフィックが減っていたこと。それが、自社ブログからnoteに切り替えたことを契機に、流入数は倍に。なぜ選択肢がnoteだったのか、マーケティングのプロならではの術を聞きました。

「アウトプットすること」がトライバルのカルチャー

ーーまずは、公式noteを立ち上げた経緯から教えてください。

秋元 noteを始めた当初は、2つの悩みがありました。

ひとつは、トライバルは事業領域が広すぎて「何の会社なのかがわかりづらい」と言われることです。代表の池田や広報、スタッフによる情報発信で、業務内容を理解いただくことも増えていたのですが、求職者やクライアントの方の理解にばらつきがありました。もうひとつはコーポレートサイトの流入数が少しずつ減っていたことです。

2019年の夏頃に向けて進めていたコーポレートサイトのリニューアルとあわせて、この2つの課題を解決しようと、noteを始めました。

ーー先ほど、スタッフによる情報発信とおっしゃいましたが、御社には、普段から個人がアウトプットする文化があるのですか? 

亀井 「個人が発信する」カルチャーは、会社ができたころからありました。池田にはもともと「ブログを書いて自分の考えや想いを発信し、個人で仕事をもらってくる」ことにこだわりがあります。当時から、自分のドメインでブログをもっていたスタッフもすくなくありませんでした。

画像2

自社でブログを運営するのが大変だった

亀井 リニューアル前のコーポレートサイトでもブログを運営していたのですが、みんなで「発信したほうがいいよね?」と感じつつも、実務に追われてできなかったんです。自社ドメインでブログを運営するのは、運用・保守どちらも手間がかかる。とはいえ、既存の商用ブログを使うのもピンときませんでした。

きっかけは、池田がnoteにハマったことです。あるスタッフがnoteを始め、それを見た池田もすぐにnoteを始め、ものの3日で「使いやすい」「気持ちいい」と話していました。

秋元 当時、noteのMAU(月間アクティブ・ユーザー)が伸びていたことも導入の後押しになりましたし、クリエイターがのびのびと自らの考えを発信している雰囲気があることも大きかったです。編集部によるおすすめの仕組みなど、サービス内の回遊性もよく、自社ドメインでブログを持ち続けるよりは、ユーザー接点を増やす効果があるのでは、と考えて始めました。

ーーコーポレートサイトのリニューアル・プロジェクトをnoteにして共有されていましたね。

亀井 リニューアルするときのコンセプトは「コーポレートサイトをトライバルの情報基地にする」でした。当時、セミナーやイベントなどの機会が増えていたのですが、コーポレートサイトにそれらをニュースとして掲載する場合も、目につきにくいところにしか表示されなかったんです。ユーザーに対して不親切な設計だったと思います。

そこで、「トライバルらしさ」というベースを前提として、セミナーやプレスリリースなどの最新情報をまとめて把握できることを目指し、改修にとりくみました。サービス詳細や支援実績など、トライバルにできることをどんどんストックしていけるようにしたんです。

また池田とも議論して、事業内容や空気感を伝える記事はnoteに集約することに決め、noteへの導線を明確にしたうえでサイトの構成を考えました。noteの記事をコーポレートサイトのフィードに流したり、noteのトップページへのリンクをコーポレートサイトのナビゲーションに表示したりしています。

traibalアイコン

「関わってくれる人を増やす」が目標

ーーnoteを運用するうえでの、最終的な目的はなんでしょうか。

秋元 もちろん受注のきっかけになればベストなのですが、まずはトライバルに関わる人を増やすことを目的にしています。

当初の悩みとしてご説明したように、トライバル自体や業務内容を知らない方はまだまだ多いと感じているので、ひろく「関わる人」を増やすための情報発信を心掛けています。

亀井 私たちが所属するマーケティングチームのミッションは、直接の商談につながるホットリードを現場のスタッフに渡すことと、中長期的なリードを獲得することです。

ですので、後者については「見込み客・関心者層」の定義からスタートし、KPIの数値もさまざまな方法で算出しました。顧客獲得についての戦略は、シンプルな形に落ち着いたのですが、設計するのはなかなか大変でしたね。

画像3

SEOが強く、コーポレートサイト流入が自社ブログ時代の倍に

ーーnoteにしてからの反響はどうですか。

亀井 コーポレートサイトへの流入数が増えました。数でいえば、自社ブログで運用していた頃の倍くらい、見ていただいています。また、noteを使用してわかったことですが、過去の記事が検索経由で読まれている傾向が高く、SEOの効果を実感することが多いです。noteのカルチャーだと思いますが、Twitterで拡散されやすい感触もあります。

秋元 反響として印象的だったのは、「Withコロナ時代のプロモーション・キャンペーンをまとめました」という記事でした。記事の公開後に、お客さまへメールでお知らせしたところ、送客効果が非常に高かったです。

この記事だけでなく、noteを運用してから「こういう情報が欲しかった」という生の声を、メルマガやSNSなどでいただける機会が多くなりました。また、営業サイドから「こういうコンテンツがあるとクライアントに紹介しやすいので書いてほしい」といった提案をもらうことも増えました。

ーー御社はソーシャルメディアマーケティングのプロですが、noteを使ううえで意識している、ひろく読まれるためのノウハウはありますか?

秋元 タイトルやキービジュアルを意識しています。noteの記事がTwitterで拡散されることで導線が増えるので、ユーザーの目に止まるように気をつけていますね。キービジュアルは毎回、社内のデザイナーが作っています。

画像4

ーー役立つ記事が多い印象ですが、ノウハウを掲載することにためらいはありませんか?

秋元 ためらいは、とくにありません。所信表明のnoteでも書いたとおり、noteをマーケティングの課題を解決する場として運営しているので、解決するためのノウハウは可能な限り公開したいと思っています。

トライバルの仕事は、お客さまの課題をヒアリングして、要件を定義し、解決策を提示することです。ノウハウだけでいえば手法寄りの話が多いですし、ノウハウを通してトライバルに興味を持っていただたら嬉しいです。

亀井 マーケティングって、考え方を理解することと、実際に実行できるかは別の話なんだと思います。「知っていて、実行できること」に価値がありますから。そのぶん、手法や考え方などシェアできるものは惜しみなく書くようにしています。「こんなにたくさんやることがあるのであれば、わかっているトライバルさんに頼みたいよね」と思ってもらえたら、ありがたいですね。

走りながら、目的別にnoteを分けた

亀井 当初は、マーケティングに加えて採用広報やインターナルコミュニケーションを目的としてnoteを始めたのですが、運営スタイルが定まっていくにつれて、目的ごとにページやアカウントを分けようということになりました。採用広報についてはWantedlyを、インターナルコミュニケーションについては社内報のnoteを立ち上げて運営しています。

2020年4月に、note proアカウントでは、トライバルに関わってくださる方や将来のお客さまを中心に記事を公開するよう、より明確にターゲットを定めました。すると、今度はスタッフへのインナーブランディングを兼ねた、たとえばサービスをリリースした裏側などの情報を知らせる場が必要になり、社内報を別に立ち上げた、という流れです。

秋元 当初は複数の目的でnoteを始めたのですが、続けていくうちにターゲットや目的ごとにnoteを分けようと。noteを開設して記事を公開して、社内外からの反響を受けて……走りながらでなければ、このように明確に決めることもできなかったように思います。

画像7

ーーnoteの運用体制について、おしえてください。

秋元 noteを主に運営しているのは、私と亀井の2名です。更新頻度は、月に3〜4本。目的ごとに記事カテゴリーを「マーケティングアップデート」「ソーシャルメディアマーケティング実践編」「ソーシャル文化研究所」と3つ設けていて、マガジンにもまとめています。カテゴリーごとに関わるスタッフが2~3人ずついます。

また、内容によっては、お客さまに近い4~50名のコンサルタントチームと連携して、ネタ出しなどの企画部分から一緒に進めることで、実効性の高いコンテンツづくりができています。

noteのKPIとしては、主にUU(ユニークユーザー)を見ています。note proのオプションであるGoogleアナリティクスを活用して計測しています。

ーー印象に残っている記事はありますか。

亀井 一本だけ選ぶとするなら、「著名マーケターと語るブランドマーケティングの未来とは」という記事です。記事化を見据えて、クローズドなイベントを行い、イベント内容を書き起こしました。

登壇者のマーケティング知識や経験が豊富だったため、議論が白熱しましたし、個別の案件に踏み込んだ話も多かったため、記事にするのに苦心しました。書き起こしは社内のスタッフにお願いしたのですが、発言数が多く、どうすればわかりやすいコンテンツになるか、秋元と喧々諤々と話し合いましたね。

こういうとき、秋元は、難しい話をわかりやすく噛み砕くのが上手で、読み手目線で意見をくれるので助かりました。

画像6

秋元 この記事はスキ数だけでなくシェア数も伸びていて、クライアントやマーケターが求めている情報を出すのが大事だと実感しました。こうした記事をもっと公開していけるといいなと思います。

ーーnoteの運営で苦労したことはありますか?

亀井 この春に、ターゲットや目的を整理してからは、運営しやすくなりました。カテゴリーを3つに分けて、関心者層をより具体化し、それぞれに対して役に立つコンテンツを出していけるようにしています。

タイムリーに求められている情報を出す

ーー今後の予定をおしえてください。

秋元 コロナ禍でリモートワークが増えています。自分もそうですが、自宅に籠もり、自社のマーケティング課題に悩む担当者さんに有益だと思ってもらえる情報を発信していきたいです。

亀井 マーケティングはとても複雑な仕事ですが、ソーシャルメディアの運用担当者は兼務だったり孤独だったりするので、その人たちの助けになりたいと思います。私たちの仕事は特殊で、「マーケターに向けたマーケティング」なんですね。私たち自身も日々学習しなければいけないと思っています。

最近、クライアントさんから「いつもメルマガや記事が面白く、お仕事をお願いすることに躊躇しませんでした」とおっしゃっていただいたことがあって、すごく嬉しかったんです。これからも、そんな言葉をかけてもらえるように、がんばりたいです。

画像8

ーーnoteを通じて、信用が可視化されているように思えます。

亀井 そもそも、マーケティングは扱う範囲が幅広いため、お客さまは「どこから手をつけたらいいかわからない」と感じることがあると思います。私たちはnoteを通して「ここはトライバルに任せられる」と感じていただける分野を増やしていきたいと考えています。

ーーお二人の連携も大切になりますね。

秋元 亀井はマーケティングの理論に明るいんですが、ターゲットによっては難しいと感じる文章になってしまうことがあるため、噛み砕いてわかりやすい文書にするようにしています。亀井が組み立てて、私が肉付けする。いいコンビですね(笑)。

亀井 これからも、よろしくお願いします(笑)。

秋元 こちらこそ(笑)。


■プロフィール

画像6

亀井大樹(右) 株式会社トライバルメディアハウス 経営企画室 マーケティングチームリーダー
インターネットサービスプロバイダ、インターネット広告会社を経て2015年にトライバルへ入社。ソーシャルメディアマーケティング関連サービスの営業を経て、2018年からマーケティング部門の立ち上げを担当し現在に至る。
秋元祐花(左) 株式会社トライバルメディアハウス 経営企画室 マーケティングチーム
2014年に新卒で入社後、ソーシャルメディアマーケティングコンサルタントとしてアパレルや食品メーカー、テーマパークなどを担当。業務提携先への出向やトライバルの広報を経て、2020年4月からはマーケティングチームでnoteをはじめとしたマーケティング施策を担当。

■クリエイターファイル

トライバルメディアハウス
トライバルメディアハウスは「ソーシャルエコノミーでワクワクした未来を創る。」をミッションに掲げるマーケティング会社です。マーケターやクリエイターが抱えるマーケティング課題を解決する場として、noteを公開しています。
note:https://note.tribalmedia.co.jp/
interview by 水野圭輔 text by 野本響子

更新情報はTwitterでおつたえします🐤

スキへのリアクションメッセージは、アカウント設定で追加できます👆
70
「note pro」の契約者に向けて、note proカスタマーサクセスチームが、運用のヒント・参考事例など、noteで「もっと伝えたい」を叶えるための学びをお届けします。利用ご検討の方はこちら → https://start-pro.note.com/

こちらでもピックアップされています

note pro クリエイターファイル
note pro クリエイターファイル
  • 18本

note をお使いいただいている法人へのインタビューをまとめています。お手本集として参考になさってください。