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キャリア採用の定着【入社後の活躍について考える】

近年、キャリア採用が注目を集めています。その背景には、転職市場の拡大と企業のニーズの変化があります。

総務省統計局の調査によると、2023年12月時点での転職希望者は1035万人。現在働いている就業者数の中に含まれる転職者の割合を示す「転職者比率」は4.8%を示しています。
※参照:https://www.stat.go.jp/info/kenkyu/roudou/r5/pdf/21siryou4.pdf

転職希望者は年々増加傾向にあり、中途採用は企業にとっても貴重な人材を確保するチャンスとなっているのです。しかし企業成長のためには、採用した人材の定着率も高めていかなければなりません。今回は、中途入社者の「定着率アップに向けた施策」についてご紹介します。


中途採用とキャリア採用の違い

最近では「中途採用」と「キャリア採用」を分けて考えることが増えています。

中途採用とは
就業経験のある方。
専門知識・経験を持っている方はもちろん、業種・職種未経験者や、第二新卒者も広く含まれる。

キャリア採用とは
中途採用の中でも就業経験があり、採用したい職種の専門知識・経験をお持ちの方。
即戦力としての活躍が期待される。

特に事業成長スピードを高めたい企業や、専門性の高い職種を採用したい場合は「キャリア採用」を導入するメリットが大きいと言えるでしょう。イチから育成するよりも現場の負担が少なく、コストも抑えられます。

企業成長に欠かせない「社員の定着」

キャリア採用者の定着率が低いと、企業にとっては大きな損失につながります。頻繁に人材が入れ替わると、オンボーディングの負担が増大し、業務効率やモチベーションも低下するでしょう。採用活動にかかるコストも高くなり、企業のブランドイメージにも影響を与えかねません。

労働人口が減り、採用は年々難しくなりつつあります。定着率を高めることは、安定した組織体制を育み、長期視点での人材育成や経験値・専門知識の蓄積にもつながるはずです。企業間の競争力強化に向けた、成長戦略の一つとして真剣に取り組む必要があります。

キャリア採用者とのミスマッチを生む5つの落とし穴

では、キャリア採用者が定着しない原因には、どのようなものがあるのでしょうか。

🕳️ 1| 期待と現実のギャップ

実際に入社してみると、採用時に聞いていた仕事内容や企業カルチャーとの間にズレが生じていると気づくことがあります。

  • 「先進的な社風だと思っていたのに、意外と保守的…」

  • 「裁量が大きい職場だと期待していたら、イメージと違った」

ギャップが大きいほど、キャリア採用者の不満や失望にもつながり、早期離職の原因となってしまいます。

🕳️ 2| 職場環境になじめない

新しい環境になじめなければ、定着率も下がってしまうでしょう。

  • 「社内ルールや人間関係に戸惑ってしまう」

  • 「前職と仕事の進め方が異なっていて、周囲に質問しにくい」

職場環境の良さは、働きがいにも大きな影響を与える可能性があります。

🕳️ 3| キャリアパスの不明確さ

多くのキャリア採用者は、明確なビジョンを持って転職活動を行っています。

  • 「キャリアアップの機会が少なく、成長できないかも」

  • 「将来のキャリア像が実現できるのか、よく分からない」

こうした不透明な状況は、モチベーションの低下や次の転職を考える要因を生み出すことになるのです。

🕳️ 4| コミュニケーション不足

上司や同僚とのコミュニケーション不足は、キャリア採用者の孤立感を高める可能性があります。

  • 「リモートワークなので、声をかけるタイミングに迷う」

  • 「相談したいけれど、先輩も上司も忙しそう。自分で解決しないと…」

そのように思い込んでしまうと、ますますコミュニケーションの機会が減ってしまいます。仕事への不安が蓄積しないよう、意識して対話をする時間を取ることが大切です。

🕳️ 5| 評価制度の不透明さ

キャリア採用者は、これまでの経験・スキルが活かせる即戦力として入社されることが多いものです。

  • 「評価基準がよく分からない」

  • 「前職までの実績が、適切に評価されていない気がする」

こうした不安や不満が大きくなれば、モチベーションの低下にも影響を与える可能性があります。

5つの“落とし穴”が複雑に絡み合うことで、実はキャリア採用者の定着率を下げているかもしれません。こうした課題を解決し、入社後も長く働きたいと思っていただける施策を考えていきましょう。

定着率を高める4つのアプローチ

キャリア採用者のエンゲージメントを高めるには、どのようなアプローチが効果的なのでしょうか。具体的な4つの施策を見てみます。

◆ 理念・ビジョンの共有

企業理解を深め、帰属意識を醸成するために「理念・ビジョン」への共感を促します。組織として大切にしている価値観を、ストーリーで伝えてみるのもオススメです。

施策例
・入社時のオリエンテーションで、経営陣が直接ビジョンを語る機会を設ける
・定期的に全社ミーティングを開き、企業の方向性や目標を共有する
・社内向けの広報として、大切にしている価値観について発信する

◆ 成長機会の提供

キャリア採用者の多くは、自身の成長に高い関心を持っています。具体的なキャリアパスと、それに沿ったスキルアップの機会を提供することで、長く活躍できるイメージが描けるようになるでしょう。

施策例
・個別にキャリアプランを作成し、上司とともに定期的に見直す機会を設ける
・社内外の研修プログラムなどを通じて、スキルアップを支援する
・プロジェクトごとの勉強会など、学習機会を設けて新たなスキル習得を目指す

◆ 社内の人間関係を築く

新しい環境になじんでいただけるよう、社内での交流機会を増やし、仲間づくりを支援します。

施策例
・部署を横断したランチ会、懇親会の開催
・メンター制度を導入し、先輩社員が1対1でフォローする
・趣味、専門知識を共有する部活動を立ち上げる

◆ 貢献度に応じた評価・報酬制度

キャリア採用者の経験と能力を適切に評価し、それに見合った報酬が提供できる制度を整えることでモチベーション向上が期待できます。

施策例
・評価基準を明確にし、定期的なフィードバック面談を行う
・360度評価を導入し、多角的な視点から公平に評価する
・賞与や昇給などの成果に応じた報酬システムを整備する

※360度評価:上司に加えて、部下、同僚など複数の関係者が行う多面評価のこと

以上の4つのアプローチはあくまで一例にすぎません。それぞれの企業カルチャーや状況に応じてカスタマイズし、挑戦していくことが大切です。

note proは「定着支援ツール」にもなる

法人企業向けの高機能プラン note proを活用すれば、入社者の定着支援につなげることも可能です。採用が難しいとされている「エンジニア」の入社後定着にも、note proが活用されています。キャリア採用者を意識し「採用広報を通じて、入社後ミスマッチを防ぎたい」との課題にも、対応できると思います。

note proを活用した事例

村田製作所では「会社のありたい姿や取り組みについて、なかなか認知されていない」という点に課題を感じていました。採用広報として社内外に発信したいと考えていたものの、「既存のWebサイトやSNSではレイアウトの制約があり、表現が難しい」と感じていたそうです。

そこでレイアウトの自由度が高いnote proを活用することに。想いや臨場感が伝わりやすく、分析機能も充実している点が導入の決め手となりました。

効果につながったnote記事例 株式会社村田製作所 製品や技術力を知ってもらう 社員インタビューで会社の風土を伝える

キャリア採用者が会社理解を深めるために記事を利用したり、製品理解の研修の参考資料として記事を取り上げたりと、活用の幅も広がっています。社内アンケートを実施したところ、「記事を読んでモチベーションが上がった」とのコメントも寄せられました。

製品や技術力の魅力を伝える記事、さらには社員のインタビューを通じて会社の風土が理解できる記事など、多岐にわたるテーマが取り上げられています。

社員の定着率を高めるための「選択肢の1つ」として、note proをぜひご活用ください。

法人向けプラン 「note pro」の詳細はこちら

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