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noteを活用して顧客と社員にスピード感ある情報公開を実現

note proをご利用しているみなさんには、noteの更新を継続させるための工夫はありますか? noteを社員が執筆する場合、書く目標や周りからのフィードバックなど、アウトプットを支える環境が必要です。顧客と社員にスピード感ある情報公開をするためにどんな工夫をしたらいいのでしょうか。

10月14日に開催された第13回目は、マーケティングリサーチやデータ利活用支援サービスを提供する株式会社マクロミルより、度会早苗わたらい さなえさんにご登壇いただきました。社外広報や社員のSNS活用を推進する業務を通してどんな効果を実感したのでしょうか。ぜひ参考にしてください。

質の高いコンテンツを社外に広めたい

——発信を始めようと思ったきっかけは何ですか。
弊社は「ネットリサーチならマクロミル」をブランドメッセージとして掲げ、2000年に創業しました。ネットリサーチ(マーケティングリサーチ)を主力事業として、現在は海外でのマーケティングリサーチ事業やデジタルマーケティングリサーチ事業、データベース事業やデータコンサルティング・データ利活用支援などを幅広く展開し、「総合マーケティング支援企業」へと事業モデルの変革を進めています。

しかし、弊社に対するイメージは「ネットリサーチ会社」が根強く、顧客企業様からご支持いただいているネットリサーチ以外の様々な事業・サービスの認知が、社会では低いことが課題でした。

また、コロナ禍での社会変化もきっかけのひとつです。社会全体で働き方が変わり、リアルなコミュニケーションが減少した代わりにオンラインコミュニケーションが浸透しました。多くの企業がソーシャルメディアを活用して情報発信するシーンも増えています。それもあり、我が社も情報発信に力を入れようと思いました。

それに、データを活用した分析結果やレポート、実施が終わったセミナーのレポートなど、よいコンテンツになりそうなのに社外に出せていないノウハウなどが、社内に眠っていたこともポイントです。

——note proで情報発信を始めた背景を教えてください。
note proは、アナリティクスを細かく分析ができる点が特徴的だと思います。デザイナーを起用せずに運用できるくらい操作が簡単ですし。わからないことはヘルプセンターで調べられるので安心です。また、社員の活躍を情報として発信したいので、社員の個人アカウントのnoteをマガジンにまとめ、プロモーションに役立てています。

上司の説得とポリシー改定、そして周知。社員「自分も情報発信したい」

——社内でnote proを使うまでのステップはどのようなものでしたか。
最初は無料版のnoteから開始し、3ヶ月半かけて社内承認を得て、note proへ切り替えました。noteはSEOに強みがあるので、それを材料に上司を説得しました。同時に、ソーシャルメディアポリシーを改訂するために社内調整をおこないました。

というのも、弊社は企業様のマーケティングデータを扱うことが多く、情報セキュリティに関してはルールが非常に厳しいのです。社員個人がそれぞれの視点でカジュアルに情報発信したいというニーズがある中、そのハードルとなったのは、長く更新されていなかったソーシャルメディアポリシーでした。

——社内周知を進めるために、どのようなことをしましたか。
note proの運用を開始する前に、社内イベントを実施しました。ソーシャルメディアを活用する企業が増加する中、社員一人ひとりがスポークスパーソンとなって情報発信していくことの重要性や、実際にそのような活動をしている社員に登壇してもらい取り組みの紹介をしてもらうなどしました。

すると、参加者の70%以上から「自分も情報発信したいと思った」という回答を得ることができました。埋もれていたコンテンツをどうにかして社会に発信したいと思っていた社員が多くいたんです。これにより、noteでの情報発信に興味を持ってくれる社員を増やすことに成功しました。
ポリシー改定から社内に周知するまで、だいたい一ヶ月くらいでした。

アナリティクス情報は執筆者にシェアして次の記事につなげる

——noteでの情報発信においてルールはありますか。
月3本以上の更新をマストにしています。結構ハードな分量ではありますが、社内で情報を吸い上げる仕組みを作ったので、ネタ集めには苦労していません。継続させることを大事にしています。
執筆してくれた社員には、アナリティクスβの情報を振り返りレポートとしてフィードバックしています。投稿だけだとお互いにコミュニケーションが途切れてしまうので、次の記事や仕事につながる情報を共有して、目標にしてもらっています。

——どのようにコンテンツ作成をしていますか。
基本、記事制作の依頼は受けるようにしていて、会社の方針やメッセージに沿っている内容かどうかをチェックしつつ、読まれやすいように肉付けをして発信しています。記事ごとにターゲットと届け方をセットで設計しています。事業方針や発表系のリリースは、担当者に執筆の依頼をすることもあります。現場からも執筆の希望を多数いただくので、情報を整理してよりよく発信するようにコントロールしています。広報が営業に持ちかけて企画が立ち上がったこともあります。

——noteと他業務の時間の割合は?
noteの運用には、業務の1〜2割程度を割り当てています。ほかの業務もやりながら進めているので、限られた時間での作業となります。

顧客と社員にスピード感ある情報公開

——プレスリリースとnoteでの情報発信の違いは何でしょう?
プレスリリースでは、どうしても事実を述べたストレートニュースにとどまってしまいがちです。noteでは、どういった思いで事業が立ち上がったのかなど、過程や裏側を語ることができます。また、noteではアイデアや伝えたいことを発信するまでの期間を短縮でき、スピード感ある情報発信ができるようになったと思います。

——情報をターゲットに届けるために、どのような工夫をしていますか。
1つ目は、記事の編集方法です。
事業やサービスを絡めた記事はどうしてもダイレクトなPRや販促になりがちです。しかし、そういった記事は弊社の経験上読者の皆さんにはあまり読まれづらいため、事業サイドの目的をできるだけ汲み取ったうえで、読者に支持される編集ポイントを筆者にお伝えし編集をするといった工夫をしています。
2つ目は、メルマガの活用です。
弊社のマーケティング部隊の協力を得て、事業やサービスに絡むコラムをメルマガでも紹介してもらっていて、これをきっかけに外部からのお問い合わせが入ったり、関連したセミナーへの集客に繋がったりと、成果が出ています。


——情報発信の場としてnoteを用意したことで、いままで社内にとどまっていた情報をコンテンツに昇華させることができた様子を伺えました。情報を顧客と社員に届けることで、広報活動にもつなげることができますね。本日はありがとうございました。

度会 早苗わたらい さなえさん
株式会社マクロミル 広報グループ
リサーチ部門で企業様の調査を担当後、広報にてリサーチを活用した社外広報や、社内イントラ・社員参加型イベント等の社内広報の立ち上げ・企画運営に携わる。2016年よりマーケティング部門で市場調査メディア「HoNote」の編集リーダーを経て、2019年より広報にて社外広報や社員のSNS活用を推進。
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株式会社マクロミル
国内オンラインリサーチ業界のリーディングカンパニー。消費者パネルからのデータを活用し、インターネットリサーチや国内外の市場調査、データコンサルティング業務などをおこなう。同社が保有する消費者パネルから得られる様々なデータを活用した革新的なサービスを提供し、マーケティングビジネス領域全体にイノベーションを拡げることを目指す。

interviewed by 大井智之 text by 村松美紀