採用広報、ファンや顧客との接点づくり、ブランディング。テーマごとに学びと悩みをシェア!note pro2周年記念イベントレポート
2021年3月、note proはリリースから2周年を迎えました。これもひとえに、note proを活用くださっている法人クリエイターのみなさんのおかげです!そんな日頃の感謝に代えて、note proの契約者さま限定で現場の悩みや工夫をお互いにシェアするイベントをオンラインで開催。総勢80名の方々に参加いただきました。
イベントでは、テーマごとにA〜Dの4つのセッションを同時開催。質疑応答も含め盛り沢山となったそれぞれのセッションから、気になるトークを抜粋して紹介していきます!当日参加ができなかった方も、ぜひご覧ください。
A 社員の発信を起点とした、これからの採用広報(フィードフォース×ベーシック)
note proを採用広報の目的で活用いただいている、フィードフォースとベーシック。二社の共通点は、自発的にnoteを書いてくれる社員がたくさんいることです。フィードフォースの人事・渡邉 康晴(なべはる)さんとベーシックのCAO・角田 剛史さんに、社員を巻き込んだ採用広報についてうかがいました。
継続的な発信を支える、ネタ探し
なべはるさんは、社内Slackの全チャンネルに入って常にネタ探しをしているそう。社内の出来事をTwitterでつぶやいて、いいねが多かったものをnoteにする、というTipsも。社内の人間だけでネタの良し悪しを判断しないための取り組みですね。
角田さんによると、ベーシックの記事の目的は二つで、応募拡大と選考中の方の意向度向上。応募拡大が目的の記事は、挑戦的な社内の取り組みや事業成長をテーマにすることでスカウトメールのような役割で活用。意向度向上が目的の記事は、組織風土やマインドをテーマに書きます。選考中に候補者がすべての社員と会うことはできないので、どんな人がいてどんな空気感で働いているのかが伝わる面談代わりになるような記事を意識しているそうです。
一番大事なのは”雰囲気づくり”
社員を巻き込むために大切なのは、「noteの効果を徹底的に見える化すること」だと、角田さんは言います。ベーシックに関するつぶやきがSlackに流れるようにしたり、noteきっかけのメディア掲載があれば社内外に大きくアナウンスするなど、見える化の頻度が低いものから高いものまで設計し、「そんなにいいことがあるなら、私も発信してみようかな」という雰囲気をつくっています。
なべはるさんも角田さん同様、「書くといいことがある」と感じてもらうためにnoteを書いてくれた人には必ず感想を伝え、どんな人にシェアされたかを調べて社内に共有しています。そして、もうひとつ大切なのが社内の「書きたいけど書けない」人のサポート。
なべはるさん「”noteのネタを思いつかない”というSlackのワークフローを用意し、オープンチャンネル上で簡単にアイデアの壁打ちができるようにしました。だれもが見られるところで記事のアイデアをやりとりすることで、他の人のやる気を喚起できているようです」
B ファンを巻き込むコミュニケーション(キリン×ぺんてる)
会社も商品も、知名度は充分に感じられるキリンとぺんてる。そんな2社はどんなことを大切にしながら、noteでファンとの関係を築いているのでしょうか?
カテゴリーリーダーとして大切にしているスタンス
両社のnoteの運営方針として共通していたのが、「自社商品のプロモーションだけを目的にしない」ということ。
キリンの平山 高敏さんは、「ビール文化そのものを育てること」を大切にしています。「自社の商品やブランドのファンになってね、というアプローチは広告でできる部分なので、noteではお酒や暮らしの文化を後押しするようなコンテンツづくりをしている」そう。
ぺんてるのお題企画#忘れられない一本には、自社商品以外の投稿も集まっています。
ぺんてる・田島 宏さん「世界に先駆けてノック式シャープペンと替芯を開発した企業なのだから、ぺんてるに限らず文房具について広く話そうよ、という度量を持っているべきだというのは、当初から社内で共有していました」
もっと商品を好きになってもらうための場所
参加者の方から、「企業アカウントのファンになってもらうための秘訣は?」という質問が。
平山さんの答えは、「noteだけで、ゼロからKIRINのファンになってもらうことは考えていない。ブランドや商品を知っている人が、より深くファンになってもらうための場所がnote」というもの。”だからキリンを好きになった”が、記事づくりの上でのキーワードです。
「過去に開催したリアルのファンイベントで、商品のつくり手と使い手がつながったことがすごくいい体験でした。あれがnoteの開設にもつながったと思う」と、ぺんてるの菊池 寛さん。同社の田島さんも「モノがあるメーカーであれば、商品のファンが読んでたのしいコンテンツと、つくり手と使い手が顔を合わせられるイベントの両軸を実現できるのが理想的」と考えます。
C 顧客との関わりを生み出す、発信基地としてのnote活用(トライバルメディアハウス)
SNSマーケティングを中心に、企業のマーケティング支援を行うトライバルメディアハウス。「何をやっている会社なのかわかりにくい」という課題を解決するため、noteで取り組んできたことをお聞きしました。
お客様が知りたいことは、現場の社員が知っている
SNSマーケティング事業には競合他社が多く、メディアやブログを運営しているところもたくさんあります。その中でどう差別化していくか、リサーチと議論を重ねた結果「投稿頻度では勝てないので、一記事あたりの質を高め、単なるHow toというよりマーケティングやSNSに関する”考え方”について書こうと決めた」とマーケティング担当の亀井さんは言います。
秋元さん「記事のテーマは、お客様と直接話している現場のメンバーに相談することも多いです。『今お客様が困っていること、知りたいことってなにかな?』と素直に聞いているうちに、社員の方から”こんなこと書いたらどうですか?”とアイデアを出してくれることも増えていきました。たとえば、よく読まれたInstagramの「リール」機能についての記事は、新卒の社員が提案してくれたものなんです。」
営業の方がお客様にnoteを見せた際にどんな反応があったかをヒアリングしたり、Twitterでのコメントを追ったりして、企画の参考にすることも多いそうです。
「こんなことできます」と伝えるために、記事を使いたおす!
過去のnoteは、お客様へのメール送付、TwitterやFacebookへの投稿、セミナーでの紹介などを積極的に行い、フル活用しているそう。記事をダウンロードできるスライド形式のものに転用するなど、見る場所と人によって見せ方を変えることも有効だと言います。
より良い記事づくりのために、Twitterでの反応を見るのはもちろんのこと、リードの方から定性的なアンケートを行ったり、営業の方からnoteをお客様に見せた際の反応をヒアリングしているそう。
亀井さん「今後は、”トライバルメディアハウスのnoteに来れば、常におもしろいコンテンツがある”という状態を目指したいです」
D メディアが考える、オンライン上のコンテンツ発信術(金子書房×文藝春秋)
書籍や雑誌、それぞれに紙のメディアを持ちながらも活発にnoteを運営している金子書房と文藝春秋。出版社がオンラインでの発信を強化する背景や効果には、どんなものがあるのでしょうか?
文字に限らない、知性が集まる場所へ
紙の『文藝春秋』のコンテンツと、Web限定の連載が読める有料の定期購読マガジンを運営している文藝春秋digital。プロジェクトマネージャーの村井 弦さんは、Webの連載は書籍化を見越しているため、書籍のPRとしての役割もあると言います。
村井さん「世の中の話題に合わせて関連する過去の記事を発信することも行っていて、とくに選挙の時期に候補者全員の過去のインタビューを掲載したときは反響が大きかったですね」
今後は文藝春秋の資産である魅力的な書き手とのつながりを活かし、作家が登壇するイベントやセミナーの配信を強化していく方針なんだそう。文字だけに限らない知性を発信する媒体として、noteを活用していきたいと考えています。
オンラインでも「人のこころに関する、役立つ情報発信を」というビジョンを体現
金子書房は、心理学・精神医学などメンタルヘルスに特化した専門書を出版してきた老舗出版社です。noteをはじめたのは、昨年の緊急事態宣言の影響が大きかったそう。
金子 賢佑さん「社会に不安が広まるなか、今こそ心に関する正しい情報が必要だと感じました。note上で『人のこころに関する事柄に真摯に向き合い、多くの人に役立つ商品・サービスを提供する』という金子書房のビジョンを体現することで、長期的にブランド力につながればと」
noteが新たな出面となり、著者や専門家の方々との交流も活発に。「PV数によって読者のニーズが可視化されたことで、コンテンツ作成のPDCAが圧倒的にスムーズになった。専門書の購入にはある程度の前提知識が必要だが、そうでない人たちに向けてのワンステップ目となる場所としてnoteを活用できている」と言います。
現在は書籍のPRを自社のnoteとTwitterで行う方針に変え、広告宣伝費を削減しnoteの連載の原稿料に充てるようになりました。
参加者のみなさんの感想
イベント終了後のアンケートやツイートから、みなさんのうれしい感想を紹介させてください!
社内で煮詰まってしまうことも、こういった機会で他の企業様の話を聞くことができて、とても勉強になります。他の企業様の悩みも、普段聞けないことなので、勝手に仲間意識が強くなり、自分もがんばろうと思えました。
毎回、各種様々なイベントを主催いただき、ありがとうございます。毎回唸ってばかりです。もう一歩踏み込んだ話を聞けたり、できたりするようなイベントがあるといいなと感じています。
参加いただいたみなさん、ありがとうございました!
最後に、こころよく知見をシェアしてくださったゲストのみなさん、イベントに参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました!
はじめての大規模なnote proユーザー限定イベント、しかもzoomのブレイクアウトルーム機能を活用したオンライン開催で、進行が不慣れな部分も多かったと思います。そんな中たくさんの方に「2周年おめでとう」の言葉をいただいて、私たち運営チーム側が元気付けられてしまいました。
▲企画者・note社高越さんのnote
この場でいただいたご意見は、今後のnote proのカイゼンやイベント企画に役立て、みなさんにお返ししていきたいと思います。
ぜひこれからも、note proをよろしくお願いいたします!
Special Thanks(登壇企業・参加企業一覧)※五十音順
株式会社朝日新聞出版/味の素株式会社/アディッシュ株式会社/
株式会社カケハシ/株式会社鹿島アントラーズFC/株式会社金子書房/
加和太建設株式会社/キリンホールディングス株式会社/学校法人国際学園/株式会社集英社インターナショナル/シン・エナジー株式会社/
株式会社世界文化社/中外製薬株式会社/トゥギャッター株式会社/
株式会社トライバルメディアハウス/公益財団法人 日本財団/
株式会社日本入試センター/浜松科学館 みらいーら/
株式会社バリューデザイン/株式会社パブリカ/株式会社ファイブグループ/株式会社フィードフォース/株式会社フォトシンス/株式会社文藝春秋/株式会社プラチナム/株式会社ベーシック/ぺんてる株式会社/
株式会社ワン・パブリッシング/株式会社やずや/株式会社ユニークワン/ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社/株式会社ゆめみ/
リードエグジビションジャパン株式会社/株式会社リクルート/
ルームクリップ株式会社/株式会社ワコール/株式会社EXJOY/
Glossom株式会社/Hamee株式会社/株式会社KINTO/株式会社LIFULL/
newR株式会社/株式会社SUGOI/株式会社Sun-Gence