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関西では初開催!「偏愛」を伝えるSHARP公式noteの運営ノウハウを、note proユーザー勉強会で深掘りしました

noteを活用している法人の担当者がつながり、知見や悩みを共有しあえる場所としてスタートしたイベント、「note proユーザー勉強会」。
昨年12月よりnote社で定期的に開催してきましたが、2024年7月23日、初めて大阪での開催が実現しました。

本記事では、そのダイジェストと舞台裏をお伝えします。


note proユーザー勉強会とは

「ユーザー勉強会」は、noteで発信している法人担当者同士がつながることを目的としたコミュニティイベントです。
東京エリアでは有志のユーザーで運営されており、イベント当日の運営も担っています。

現在、note pro(有料プラン)を利用する法人の数は700以上にのぼります。
ユーザーは関東エリアだけでなく全国にいらっしゃいますが、note pro運営チームには、東京以外のエリアでもユーザー同士が集まれるオフラインイベントを作りたいという想いがありました。

そんな中、今回のホストであるソウルドアウトさんより「関西圏でのユーザーイベントをやってみたい!」というお声をいただいたのが2024年4月ごろ。
東京のユーザーコミュニティの幹事ミーティングなどに参加していただきながら企画を立て、SHARPさんをゲストとしてお招きすることとなりました。

シャープ株式会社 登壇者:大嶋おおしま ひとみさん

ソウルドアウト株式会社 登壇者:宮武みやたけ由佳ゆかさん、うしお 大佑だいすけさん

様々なクリエイターの記事の読み込みをチームで習慣化。SHARP式note運営のコツとは

第1部はトークセッション。
ゲストのSHARP 大嶋さんへ、聞き手のソウルドアウトさんから質問が投げかけられます。

補聴器、電気調理器などの自社製品にまつわるエピソードや、日常生活の中で触れるさまざまな物事への偏愛を、多様な語り手の目線から伝えるSHARPさんのnote。

セッションで最初にあがったテーマは「どうやったら面白い記事を作れるか」

SHARPさんではnoteを始めた当初より、編集部メンバーで他社のnoteをたくさん読み込み、面白かった記事のポイントを共有しあう取り組みをされています。
そのときに重要視したのは「3つのW」Why(筆者がなぜこの記事を書いたのか)、What(何を伝えているのか)、How(どんなふうに、どんな記事スタイルで伝えているのか)を言語化することで、自社での発信のコツをつかんでいきました。

個人・法人を問わず多様な記事を読んでいたそうですが、それを象徴する出来事として、去年のnoteの創作大賞に選ばれた作品の大半は受賞前に読んでいたとか。

さまざまな企業のnoteを読む中で「一人称で語られる記事はとくに面白い」という点で意見が一致し、SHARP公式noteの記事も一人称をベースに制作することになりました。

手前がSHARPの大嶋ひとみさん

記事づくりの過程もお伺いしました。

社内でネタを集める際は「聞き手である自分の心が動かされるか」を考えています。
下記の「ずっと、ひそひそ話がしたかった」は大嶋さんにとっても非常に印象的なエピソードであり、社内外の評価もとても高かったそうです。

通常、記事は全体の起承転結を決めるのに2週間、ライティングも2週間ほどかけ、現場社員など関係者に意見をもらいながら制作しています。「面白い記事」の基準は人それぞれのため、さまざまな方の視点を取り入れることを大切にしているとのこと。

社内の広報部門ではすでに自社の独自性を押し出したメディアを運営していたため、noteでは逆に、さらっとは読めない「こってり」したコンテンツを作ることで差別化しているそうです。

また「ストーリーをしっかり読ませたい記事」には、読者に没入してもらえるようあえて目次を置いていないんだとか。
参加者からも「印象に残った記事」として挙がっていた、生理用品に関する記事などがそうです。

「SHARPの公式noteだから読む、という読者は多くない。そのため『こんにちは、〇〇会社の誰々です』などの自己紹介は入れず、記事のつかみだけで興味を持ってもらえるようにしています」(大嶋さん)

聞き手のソウルドアウトの宮武由佳さん(右)

法人noteの運営には社内の協力が欠かせません。社員にnoteのことを理解してもらい、後押ししてもらうために、大嶋さんたちは外部のコンテンツアワードに応募し、結果としてグランプリを受賞するに至りました。

社外から評価を受けたことで社内で公式noteの認知度も高まり、社員の協力もより前向きなものになったそうです。

ファシリテーターを務めたソウルドアウトの潮大佑さん

また、クリエイターとのコミュニケーションも意識しています。

記事の読み込みの際は、最後までしっかり読んだ上でスキをつけるようにしています。SHARPの製品やサービスに関連する記事に関しては、ときに目を潤ませながら、関連部門に展開もしています。
クリエイターが書いてくれた製品に対する熱量の高い記事を読んでスキをつけたところ、自社のnoteにコメントをくださり、オンラインで会話まですることができた、というお話もありました。

▼自社製品やサービスについてクリエイターが書いた記事をまとめたマガジン

目標設定に関しても積極的に質問が寄せられていました。
SHARPさんでは、今は1記事あたり「スキ数1000以上」を目指して発信を行っています。
加えて、取り上げる製品ごとにマガジンを分けていますが、それぞれの開発チームが目指していることをヒアリングした上で、マガジンごとに個別の目標を立てているそうです。

当初、スキの数や読了率などの数値の相関を調べたこともありましたが、たとえ読了率が下がる可能性があっても文字数を減らす方針はとっていません。5000字から、多いときは10000字を費やしてでも、伝えたいことを伝えきることを大切にしています。

その他にも「どうやったら読者にアカウントを気づいてもらえるか」「よく読んでいる個人クリエイターは?」といった質問が参加者から寄せられ、白熱したセッションとなりました。
後半の交流タイムでも、名刺を交換したり、お互いが運営しているnoteへの感想を伝えたりする様子がみられました。

「関西で法人noteの担当者さんとつながりたい」企画運営のソウルドアウトさんが見た舞台裏

本イベントの発起人であるソウルドアウト 宮武さんに、イベント後取材をさせていただきました。

——なぜイベントの主催者側になろうと思ったのですか?

東京でユーザーイベントが数回実施されたのは知っていたのですが、私は大阪在住のため行きたくても難しい状況でした。

それをnoteさんに相談したところ、弊社が主催して実現できないかという話になり、今回の企画が実現しました。
実際のイベントの雰囲気などを知るために、東京の幹事コミュニティのミーティングにも参加させてもらったのですが、とても良い雰囲気で、さらにやりたい気持ちがわいてきました。

——どのようなイベントにしたいと考えていましたか?

まずは、これまでなかった「関西の法人noteユーザーとの出会い・交流の場所」を作りたいという目標がありました。さらに、そこから企業同士のコラボが生まれたり、互いに学び合えたりしたらいいなと思っていたんです。

大阪には名作noteを次々と公開し、いい意味で「企業らしくない」と思っていたSHARPさんがいらっしゃるので、ぜひゲストとしてお招きし、そのノウハウをみんなで学びたいと伝えて、打診をnoteさんにお願いしました。

——準備段階では、実際にどのようなことを行いましたか?

noteさんを通して、ゲストである大嶋さんとの企画会議を行いました。
いち読者、いち運営者としてnoteの運営に関してあれこれ聞いてみる中で、私自身が面白いな!と感じた部分をピックアップして、当日のセッションの内容を考えていきましたね。

東京のイベントではnoteさんのオフィス内にあるイベントスペースを使っていますが、弊社が入居しているビルにも外部の方を招くことができる会場があるため、この場所を活かして会を開くことにしたんです。

トークセッションのリアル感、参加者と一緒になって盛り上がれる空気感を大事にしたかったため、事前に資料を作り込むことはあまりしませんでした。

——進める上で悩んだことや、大変だったことはありますか?

参加してくれる方がいるのだろうか、という点が実は不安でした。何度かnoteさんからアナウンスを出してもらったことで参加してくださる方が増え、安心しました。
また、せっかく来ていただくのであれば参加者の満足度の高いイベントにしたい、交流だけで終わるイベントにはしたくない、というプレッシャーもありました。

——イベント当日を振り返って、いかがでしたか?

アンケートで、満足度100%だったことは嬉しかったです!
オフレコなお話、明日から実践できる具体的なノウハウが聞けたこともよかったですし、参加者のみなさんにとっても学びになったのではと思います。これから自社のnoteでも学びを生かしたいですね。

参加人数も10数名だったので最初は少ないと思ったのですが、結果的に全員とお話ができ、交流タイムなども和気藹々わきあいあいとしていたので、良い規模だった気がします。
さらにnoteが好きになりました(笑)

SHARPさんから「個人クリエイターのnoteもしっかり読んでいる」というお話を聞いて、法人と個人を分けて考えることなく「いいnote」を追求していきたいと思いました。

——今後チャレンジしたいことや、課題はありますか?

今回オフラインイベントをはじめて行いましたが、これを機に定期開催を目論んでいます!
noteをまだ使っていない関西の企業さん向けのイベントも企画してみたいですね(※ソウルドアウトさんはnote proのセールスパートナーでもあります)

——最後に、他のnote proユーザーさん、とくにイベントを企画することに興味がある方へのメッセージをいただけますか?

イベントはめちゃくちゃ楽しかったです!
ぜひ一緒に関西法人noteを盛り上げましょう!
参加&企画のお声がけなどなんでもお待ちしています!

SHARPさんからのメッセージ

ソウルドアウトの宮武さん・潮さん、そしてnoteの漆畑さん、お声かけいただき本当にありがとうございました!
熱望していた法人note勉強会@関西の夢が叶いました!
参加者のみなさんと物理的に距離が近いことで、note運営者同士コラボ企画をしたり、情報共有などがしやすくなりました。(すでにご参加いただいた企業さま3社ほどとnoteコラボの話を進めています・・・!)
ぜひ定期開催して、みんなで成長する場がつくれると嬉しいです。

参加されたみなさまからのコメントを紹介(一部)

こんなすばらしい企画を開催いただき、本当にありがとうございます!
なかなかオフラインで他社様とお会いできる機会がないので非常にありがたかったです。
楽しかったです!
今回参加された企業様はもちろん、関西でnoteに取り組んでいる他企業様も併せて参加できるオンライン上のコミュニティがなにかあればとっても嬉しいです......
今後ともどうぞよろしくお願いします。

クローズドな場ということで、シャープさんからの赤裸々なぶっちゃけ発言もあり、楽しかったです。note運営は基本的にひとりで行っているので、同じ立場の人と悩みを共有しあえることが多く、モチベーションにつながりました。宮武さんのファシリテーションも素晴らしかったです。また、note社の方とお会いできたことも、「中の人」に会えた感があり嬉しかったです。

貴重な機会をいただき本当にありがとうございました!
トークセッションの中で、面白い記事を書くために良い記事をたくさん読んで型を勉強することを心掛けておられるとのことで、実際に大嶋さまがおすすめの企業/個人のアカウント・記事やどういったところがオススメかというポイントもたくさん挙げられていて、まだまだ私自身が勉強不足であると痛感しました。良い記事をたくさん読むことに加えてWHY/WHAT/HOWの深掘りをしたり、社内のネタ集めは実際に自分の足で稼いで発掘しに行くという点も、今回のお話を伺ってさっそく真似して実践させていただきたいと思いました。
また、コラボ企画に関してもぜひ実現したいので、弊社でnote運用を一緒に担当しているメンバーともイベントでお話しした内容を共有したうえで企画検討してみます。
今後も、今回のご縁をきっかけに繋がりを持たせていただけますと幸いです!

左よりソウルドアウト 潮さん、SHARP 大嶋さん、ソウルドアウト 宮武さん

おわりに

東京以外のエリアでは初のリアル開催となったnote proユーザー勉強会。
どれくらい参加者がいらっしゃるのかドキドキしていましたが、ソウルドアウトさんの熱意と綿密な準備、シャープさんの想いと知見の詰まったセッションのおかげで、初回にして非常に盛り上がった会となりました。

大阪では今後もイベントの企画を進めていきます。近隣にお住まいのユーザーのみなさまは、次回もぜひご参加いただけたら嬉しいです。

また、この記事を読んで「自分たちのエリアでもユーザー会ができないかな」と感じた方は、お気軽にカスタマーサクセスにご相談ください。
企画の壁打ちから伴走させていただきます。

文:漆畑 美佳(note株式会社)