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ファンと一緒に地域を育てていくnote——心を豊かにする「FC今治」のチャレンジ #noteクリエイターファイル

noteで活躍するクリエイターを紹介する#noteクリエイターファイル。今回登場するのは、愛媛県今治市をホームタウンとするサッカークラブ「FC今治」を運営する、株式会社今治.夢スポーツさんです。

今治.夢スポーツは、サッカークラブFC今治の運営だけでなく、「しまなみ野外学校」や「Bari Challenge University」などの教育事業、今治地域全体でひとつのサッカーピラミッドを創り上げる試み「今治モデル」などの活動を、さまざまに行っている組織です。

今年3月にスタートした「FC今治」noteでは、FC今治トップチームの試合結果やそれに類するニュース的な情報以外のことがらに目を向け、企業理念である「次世代のため、物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会創りに貢献する。」を実現するための、チャレンジのバックストーリーを発信しています。

コンテンツ化しやすいと思われるスポーツの情報発信において、なぜ”舞台裏”の発信が必要だったのか。その想いを、執筆を担当する今治.夢スポーツの中島啓太さん、神尾武司さんに伺いました。

この取材は、2020年5月25日にオンライン上で行いました。

クイックに、シンプルに、少人数でスタート

——あらためて、Jリーグ昇格おめでとうございます。まず、noteを始めたきっかけを教えてください。

神尾 本来、クラブチームは1月に始動します。ですが今年はコロナの影響で、いつもは公式HPに載せていた、試合日程や結果といった基本的な情報さえ発信できない状況でした。それならば、公式HPではできない発信をnoteでやってみようと、急遽はじめることになりました。

今ふりかえると、noteだったからこそのクイックな立ち上げだったと思います。ウェブサイトをゼロから立ち上げるとすると、CMSやデザインをイチから手がける必要があったので、こうすばやくは動けなかったと思います。

中島 私はもともと個人的にnoteを使っていたこともあり、使い勝手や雰囲気を知っていたことも理由のひとつです。noteは法人向けプラットフォームの用意もあり、シンプルにクイックに対応できる上、軌道修正もしやすい。サービスの外側からのユーザー流入も多いので、他のサービス利用は特に考えませんでした。

神尾 とくにnote proではブランディングに活かせる機能があり(ロゴ、独自ドメインの変更が可能)、FC今治としてのPRに問題ないプラットフォームだったのも大きいですね。ヘッダー画像に関しても、SNS拡散の際にきちんとタイトル、URL、概要、画像を表示させるOGPに対応しているなど、基本機能がしっかりしているのもポイントでした。

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——神尾さんには、前職の、今治タオルの製造・販売を手掛けるタオルメーカー「IKEUCHI ORGANIC」でも、オウンドメディアのひとつにnoteを選んでいただいています。

神尾 はい。IKEUCHI ORGANICでは特に、これからを担う20代層にも情報を届けたかったので、その層も見ているnoteがちょうど良かったんです。そこで得た知見を、今度はFC今治noteの運用に注入しています(笑)

——運用体制はどのように?

中島 小さな会社ですのでnote専門の担当はおらず、広報担当の植野準太さん、IT・執筆担当の神尾さん、経営企画・toCマーケティング統括を担当する私、中島の3人が連携して発信内容を企画しています。

——コンテンツを発信し続けるためのルーティンなどはありますか?

神尾 はい。発信をルーティン化することは大事なことです。FC今治では月2回、きちんと計画を立て投稿しています。また、原稿を磨くために、書き手以外に社員やインタビュイーなどの複数人に、目を通してもらうことも重要ですね。

中島 note開始初期に、神尾さんから「書いた記事を掲載前にしっかりチェックしてもらえませんか?」と言われました。今までたくさん記事を書いてきたベテランなのに……? と最初はびっくりしましたが、なるほど社内であっても客観的な意見を入れることで、きちんと届くコンテンツになりますし、書き手がどういう想いをどう伝えたいかを考える上で、とても参考になります。

熱狂の裏側にある、愛着の蓄積が重要

——noteのオウンドメディアとしての役割はなんでしょう?

神尾 オウンドメディアをやることの目的は、ファンの人たちにメッセージを届けることです。すでにファンでいてくれている人たちに、FC今治が考えていることや、ビジョンを伝える場所。

ファンの人たちが自発的に「あれもこれも、FC今治がやっているみたいだよ」と周囲の人に言ってくれるようになることを目指しています。

また、「サッカー日本代表をW杯へ2度率いた岡田武史という有名な人が作ったサッカークラブ」という認識だけでなく、地域に根ざしたクラブとして、この地域で暮らす皆さんに自分ごととして捉えていただけるようにがんばっていきたいですね。

中島 私はこのサッカークラブに加わって数年経ちますが、サッカークラブとしての情報発信はほぼ毎日あるにもかかわらず、情報がストックされる場所がなく、知るひとぞ知る、という状態になっていることが非常にもったいないといつも思っていました。それができる最適な場所が、noteだったんです。

たとえば、映画は約2時間とおして観ないと、最後のクライマックスの良さは理解できないことがありますよね。それと一緒で、熱狂の裏側には、愛着の蓄積が重要だと思っています。

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スポーツにおいては、スタジアムが満員になるからこそプラチナチケットになるし、入場できない人がいるからこそテレビでの放映権が生まれます。また、スタジアムが賑わうことでグッズやフードが買われて、年間パスにつながります。

しかも、初めてスタジアムへ足を運ぶ理由を調べてみると、広告ではなく友達や家族に誘われた人がほとんどのようです。なので、周囲の人に勧めたくなるチームをつくりたいし、そうなるための、愛着をもってもらうきっかけになるコンテンツを届けたいですね。

——とてもよくわかりました。他のチャネルとの役割分担は?

神尾 私たちは、公式サイトやnoteのほか、メールマガジン、公式SNS(Twitter、Facebook、LINE)などのチャネルを持っていますが、それぞれの役割を明確に分けています。

noteはストック型メディアとして位置づけ、他のフロー型メディアや紙媒体などと組み合わせて使っています。たとえばnoteにストックした情報を、他媒体へコンテンツとして出したりと二次利用していますね。具体的には、地元自治体の広報誌に枠を持っているFC今治の連載に、noteにストックした記事を要約して載せたりしています。

一方で、地域のマスでの告知も植野さんが主体でやっています。ファンの裾野を広げるためには、noteのような熱狂的ファンへの情報発信と、広く伝えるマスの両輪が重要です。

——公式note立ち上げ時にプレスリリースを出されましたね。

中島 はい。noteを運営する上で、やりたいと思っていた「サッカー以外のこともしっかりやっている企業の姿勢を伝える」という決意を、記事一つ一つの反応に左右されて変えていってしまうことなく、貫くことが大事だと考えました。ですから、はじめにそうした土台を築くためにプレスリリースを打ちました。

個人に焦点を当てたら、ファンも社内も結束が強くなった

——特に印象に残っている記事はありますか?

神尾 選手インタビューです。note立ち上げの準備段階で最初に着手したコンテンツなのですが、選手が27名もいるので、取材を回すのが大変でした(笑)。でも自分が読む側だったら、ぜったいに全員のインタビューを読みたいと思いますよね。幸いまだ対面でインタビューができる3月の頃でしたし、トライしました。

するとファンからは、選手個人のキャラクターがよりわかりやすくなった、愛着がわいた、という声をいただきました。

中島 たとえば山田貴文選手は、別クラブからスカウトでFC今治にきたのですが、じつは大学卒業時、公務員試験に合格していて就職するつもりだった、一度はJリーガーへの道をあきらめていた、というエピソードの持ち主で、クラブ最古参の中野圭選手もそのことを知らず、驚いたらしいですよ。

神尾 オウンドメディアで個人に焦点をあてたことで、ファンだけでなく、チームメイト同士のバックグラウンドがシェアされて、クラブチーム全体の結束も強くなったように感じます。IKEUCHI ORGANICでオウンドメディアを立ち上げた時も、社員全員にインタビューをしたことがありますが、その際も社内・お客様双方からの反響が大きかったですね。

中島 私たちは小さい会社ですが、社内外への反響という意味では、大きな会社がこうした発信に取り組まれるのであれば、より大きな影響があると思いますよ。

地域と一緒に育てていくメディアに

——これからどんなメディアにしていきたいですか?

中島 今治市には、小中学生の詩や作文、短歌、俳句を掲載する『うしお』という地域文集があるのですが、以前ある小学生が、自分自身とサッカーについて、とても素敵な作文を書いていて、それを読んで感動してしまったんですね。

このように、スタジアムにきてくれた子たちがファンの選手に手紙を書いたり、サッカーへの想いを書いたりして、それに選手が返事を書いたりしたものを、FC今治がまとめて発信していくということができないかな、と考えています。

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つまりファンとともにコンテンツを一緒につくることで、それを見たほかのファンが共感して熱が広がっていってくれたらな、と。

そしてなにより、公式noteで最初に宣言した「心の豊かさ」の発信を継続することが重要だと思っています。

掲げた理念をもとに、人口16万人の地方都市でチャレンジする私たちの姿を、これからも綴っていきたいです。

プロフィール

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右・中島 啓太/株式会社今治.夢スポーツ マーケティンググループ長/経営企画室長
1990年大阪府生まれ。York St John University卒業後、2012年にデロイト トーマツ コンサルティング合同会社に入社。2014年にサッカー元日本代表監督の岡田武史氏と出会い、2016年の転職とともに、東京から今治に移住。現在は、満員のスタジアムの創出を目指すほか、これまでにはFC今治のホームスタジアム「夢スタ」の建設や、次世代の社会変革者を生み出すワークショッププログラム「Bari Challenge University」の統括等も経験。
左・神尾 武司/株式会社今治.夢スポーツ マーケティンググループ所属
1973年今治市生まれ。PCゲーム雑誌の編集者を経て、東京から今治へUターン。タオルメーカーIKEUCH ORGANICでECサイト運営、オウンドメディア運営に携わり、2020年3月より現職。toC周りのコンテンツ制作、情報発信を担当。FC今治を核に故郷今治を心豊かな地域とするため奔走中。

クリエイターファイル
FC今治

FC今治を運営する株式会社今治.夢スポーツです。noteでは「心の豊かさ」をテーマに、トップチームの活動のみならず、「しまなみ野外学校」などの教育事業や、地域全体で1つのサッカーピラミッドを創る試み「今治モデル」など、企業理念の実現に向けたの様々なチャレンジの舞台裏を発信します。
note:https://imabari-yume.me/

interviewer by 水野圭輔 text by 本多いずみ


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