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全員でアウトプットする文化をどう作る? メンバーみんながnote発信を行なう、ゆめみの戦略

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企業のトップや広報といった一部の人だけでなく、メンバーみんなが「生の声」を発信することで、会社の認知や共感を高める企業が増えています。それは企業ブランディングだけでなく、採用広報としての効果や、メンバー同士がその発信を見て理解を深める作用も期待できます。

デジタルプロダクトの開発や内製化を支援する株式会社ゆめみ(以下、ゆめみ)さんも、メンバーがnoteで活発に発信することで「徹底した透明性」を体現しようとしています。

とはいえ、たくさんのメンバーが自由に発信するとなると、投稿内容のコントロールや、全員が主体的に発信する姿勢をつくることに難しさを感じるケースも多いはず。実際に、そんな悩みを抱えている企業の担当者もいるのではないでしょうか。

ゆめみさんでは、どのように「全メンバーが自由に発信」の文化を作り、維持してきたのでしょうか。広報でありnote運営担当者の妹尾福太郎せのお  ふくたろうさん(note)に伺いました。

ここでは2022年6月30日に開催された「note proミートアップ」イベントの内容をもとに、全員発信のnote運営のポイントを紹介します。

note pro ミートアップとは?
note proを活用する法人クリエイターのみなさんに向けて毎月開催しているイベント。法人クリエイター同士がnoteを運用する上での学びや悩みを共有したり、社外での横のつながりをつくることで、よりnoteを活用いただくことを目的にnote proユーザー限定で開催しています。

noteを始めた理由は「メンバーが行なっていた情報発信の効果を高めたい」

ゆめみさんがnote運営を始めたのは2018年のこと。きっかけは、創業者であり代表取締役の片岡俊行かたおか としゆきさんが率先してnoteを書き始めたことでした。

一方この頃、メンバーの中にも自主的に発信する人が多数おり、エンジニアは主に自社ブログで、他のメンバーは各自さまざまなメディアで情報発信している状態。それなら点在するメンバーの発信チャネルをnoteに集約して効果を高めようと、同社のnote施策が始まりました。

以来、ゆめみさんでは全メンバーが書き手として、noteの個人アカウントで自由に発信。また、法人としての公式noteも運営し、メンバーの個人投稿からピックアップしたものを掲載しています。

この際、福太郎さんがキュレーターとなって、公式に上げる記事のチョイス・仕分けを行なっています。同時に、福太郎さんを中心に公式noteのオリジナル記事も執筆しています。

note運営のコンセプトは「素顔のゆめみ」を伝えること。いわゆる“よそゆき”ではない、ありのままを発信しようと考えました。

当初の目的は採用広報であり、採用候補者をはじめ、“社外”に向けた発信をターゲットに想定しています。しかし開設後に会社規模が大きくなり、メンバーが増える中で、お互いを知る社内コミュニケーションチャネルとしても効果を発揮。「途中から社内向けも意識した発信を行なうようになりました」と福太郎さんは話します。

福太郎さんとメンバー

全員が前向きにアウトプットするため、あえて“やらない”こと

ゆめみさんのnote運営の特徴は、全メンバーが自由に発信すること。そこで重要なのが、どうやって全員が前向きにアウトプットする文化を作るのかということです。

同社では執筆者となるメンバーに記事の内容やトンマナ、クオリティに関するルールを課していません。なぜなら、メンバーのnoteは”ゆめみの素顔”を多面的に見せる場所であり、個人の目線や感情でありのまま発信することが重要だからです。

「細かなルールを設けると、メンバーの書こうという意思を止めてしまいます。だからこそ、ルール設定やコントロールは、あえて行なっていません。
設定しているのは、誹謗中傷の禁止や機密事項の保持など、最低限のガイドラインのみ。
会社批判をnoteに書いてもいいですし、会社の業績や自分の給与額を公開するのもOKです」(福太郎さん)

この考えの根底にあるのが、会社は個人の集合体であり、noteの発信もあくまで個人のアセット(資産)になるということです。セルフブランディングの一環だからこそ、個人の思いをありのまま発信できる環境にしています。

また、note発信が個人の成長につながるサイクルを作ることもポイント。インプットを行ない、その後、自らアウトプットするサイクルを作ることで、業務では得られないアセットが培われます。その好循環をメンバーに実感してもらうことで、発信に前向きな文化を築いています。

メンバーの発信を後押しするため、社内制度にも「仕掛け」

メンバーの発信文化を醸成するために、いくつかの仕掛けも行なっています。まず、新入メンバーは3ヶ月以内にnoteで入社エントリーを書くというプログラムを設定。この時点でnote執筆がマストとなります。

また、同社はコロナ前からリモートワークを実施してきた企業であり、その働き方で成果を最大化するための100項目を掲げたチェックリスト「リモートワークの達人」をつくっています。このチェックリスト項目を達成するごとにインセンティブが発生するのですが、その中には、「自身のSNS発信を社内のSlackチャンネルに告知する」という項目があります。

チェックリスト「リモートワークの達人」一部
リモートワークで成果を最大化するためのチェックリスト「リモートワークの達人」。
その中に、「自身のSNS発信を社内のSlackチャンネルに告知する」がある。

福太郎さんは「自分の投稿を社内Slackで“ドヤる”」と表現します。狙っているのはSlackで投稿の告知をすることで、ほかのメンバーが反応してくれること。すると嬉しくなって、また投稿してみようという気持ちになります。これも前向きな個人発信の動機づけになっています。

そのほか、メンバーの執筆モチベーションを上げる意味で、noteのネタになるイベントも実施。たとえばゆめみさんでは社内勉強会を月150〜200回(!)開催しています。

社内イベントとnoteの連携もしています。2022年3月には、各メンバーが自宅のリモート環境を自慢し合う社内コンテストを実施。その模様を公式noteで取り上げました。

一方、運営者である福太郎さんが行なっていることは大きく2つ。

まずメンバー個人のnoteは、依頼があった場合のみレビューしています。ただし、先ほどのとおり「メンバーの個性や書きたいことを尊重する」のが基本です。

対してご自身は公式noteからの発信を担当。「ゆめみ通信」というオープン社内報のようなマガジンのほか、会社のイベントや企画・コンテンツの告知、広報記事も執筆しています。

「私も公式noteを執筆するために、日々ネタの確保に動いています。つねに社内Slackを巡回してよいネタがあれば企画を立てますし、社内イベントもnoteのネタにつながりそうな企画を逆算して立てることも珍しくありません。YouTube動画のような、まだnoteに出していないコンテンツのアーカイブなど、記事ネタの引き出しは探せばいろいろとあります」(福太郎さん)

公開後の拡散は「ナラティブ」に行なうのが“ゆめみ流”

ゆめみさんでは、メンバーみんなが執筆する文化を作るとともに、メンバーのnoteをたくさんの人に届ける工夫もしています。

その工夫とは、大きく2つ。
1つは「コンテンツの工夫」、もう1つは「公開後の工夫」です。

まず「コンテンツの工夫」について。
福太郎さんがよく口にするのは「サムネ命」ということ。記事のサムネイル画像は、とにかくインパクト重視。賑やかでむしろ騒がしいくらいの雰囲気が出るサムネイルにしています。福太郎さんは「やりすぎたかな? と思う程度でちょうどいいですね」と話します。

サムネイル例
メンバーによる賑やかなサムネイルがゆめみnoteの特徴。

また、他メンバーが書く記事では各個人の世界観、キャラクターが出るようにアドバイス。福太郎さん自身も、記事には「ギュンギュン!」といったお決まりのフレーズ言葉を入れるなどして、自身のキャラづけを行なっています。

福太郎さん投稿例
サムネイルはもちろん、記事冒頭の一文でグッと読む人の目を惹きつける福太郎さんの投稿。

とはいえ、メンバーすべてが強いキャラにする必要はなく、あくまでありのままの自分を表現する中で、それに沿うキャラやスタイルを意識的に記事の中に入れていけばよいという方針です。

続いて「公開後の工夫」について。
ゆめみさんが大切にしているのはナラティブな拡散です。ナラティブという言葉は最近PR領域でよく使われますが、同社の定義では「自分視点、自分の言葉で語ること」。

たとえばあるメンバーのnote告知ツイートをほかのメンバーがリツイートする際、単なるリツイートではなく、ひとこと加えた引用リツイートを推奨しています。個人個人が自分の感じたことを言葉にし、それらの個人発信が積み重なる中で、読み手の共感を生むことが狙いです。

もちろん、先述した社内Slackでの発信も記事の拡散を生む工夫のひとつ。インセンティブと紐づけて、メンバーが自然と告知できる、ドヤれる雰囲気を築いています。

まだKPIを設定する段階ではない。大切なのはnoteの掲示板化

note運営では、記事のふりかえりやフィードバックも重要です。ゆめみさんでは、片岡代表と福太郎さんが週1回ミーティングを実施。noteのPVやスキ数といった定量的な数値と、コンテンツ内容(特にサムネ画像)についてのふりかえりを行ないます。

ただし、2人が話し合うのは公式noteの投稿がメイン。各メンバーの個人noteについては短期的な目標を置いておらず、細かなふりかえりも行ないません。まずは情報発信の量を増やすことが重要であり、KPIを作ることでメンバーのnote執筆のハードルを高くしたくないためです。

「ただし、反応のよかった記事やPV数の高かった記事は随時確認しています。意外にnoteでもエンジニアが書いたテック系記事の反応がよいなど、次の学びになっていますね」(福太郎さん)

今後の運営についても、数字による成果目標は置いていません。さまざまな情報を掲載しておき、必要な人が必要なときに読むのが理想。いまは情報量を増やすことに専念し、「多様性ある情報発信の掲示板」にすることを目指しています。

イベントにて

個人を主体にすることが、全員アウトプットの文化を作る

メンバー全員がnoteで自由に発信するゆめみさん。その裏には「会社は個人の集合体」であり、あくまで一人ひとりがありのままを見せるという信念と、そのための文化醸成や工夫がありました。

ゆめみさんのnote運営において、参考になるポイントを以下にまとめました。

ポイント

  • 会社は個人の集合体。リモートワーク環境でメンバーがいきいき働いている様子を伝えるには、一人ひとりが自分の声で発信することが大事。

  • 心理的安全性を担保して、社内チャットで気軽にドヤれる雰囲気をつくる。

  • 徹底した透明性を実現するため、最低限守るべきことを定めたら、あとはメンバーの自主性に一任する。

メンバーが自主的に発信し、ほかのメンバーがその記事を自主的に紹介していく。ナラティブにメンバーのnoteを盛り上げていくヒントが、ゆめみさんの運営から感じられたのではないでしょうか。

interviewed by 漆畑美佳 text by 有井太郎


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