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アルムナイ採用とは?【成功につながる4つのポイント】

「アルムナイ採用」とは、過去に自社で働いていた従業員を再雇用することを指します。アルムナイ(alumni)は本来卒業生を意味する言葉で、企業を卒業した従業員を再び迎え入れることで即戦力が確保できるとして、注目を集めています。

今回はアルムナイ採用を成功に導くポイントについて、ご紹介します。


アルムナイ採用が注目される3つの背景

アルムナイ採用が注目を集めている背景には、3つの要因が影響していると言われています。

1|激化する人材獲得競争

日本の労働市場では、少子高齢化による労働人口の減少や、デジタル化に伴う専門人材の需要増加により、人材獲得競争が激化しています。総務省の統計によると、労働生産活動の中心となる「生産年齢人口」は大きく減少すると見込まれているそうです。
(出典:総務省ホームページ 白書 生産年齢人口の減少

特に、IT人材や経験豊富な管理職候補は、どの企業においても人材不足が否めません。こうした状況下において、すでに一度自社で活躍していた実績のある元社員を迎え入れる「アルムナイ採用」が高く評価されています。

2|人的資本経営の重要性

2023年3月期よりプライム市場上場企業に対して、有価証券報告書を通じた「人的資本情報」の開示が義務付けられました。「人的資本」とは、企業で働く人材を「資本」と捉え、スキル・能力を投資の対象とする考え方のこと。中長期的に企業価値を高めていくには、人材が持つ固有の価値を引き出し、能力開発に投資をしていく必要があるのです。

一度退職した後もアルムナイ(卒業生)として関係を持ち続ければ、人材が発揮する価値は還元され続けます。新たな転職先で築いた人脈を活かした協業や、スキルを活かした新規事業創出なども実現する可能性があるでしょう。

3|多様な働き方とキャリアパスの変化

働き方改革の推進や価値観の多様化により、個人のキャリアパスも変化しています。転職や副業、独立など、多様なキャリア選択が一般的になる中で、一度退職した企業への再入社も珍しくなくなってきました。

企業側も、多様な経験を持つ人材を積極的に受け入れ、組織の活性化や新たな価値創造につなげようしています。

多くのメリットをもたらすアルムナイ採用

アルムナイ採用は、企業と求職者の双方にメリットをもたらします。それぞれの立場から、メリットを詳しく見ていきましょう。

◆ 企業側のメリット

即戦力の確保

・企業文化や業務プロセスについて理解しているため、短期間で高いパフォーマンスが発揮できる。
・新規採用と比べると、研修期間が大幅に短縮でき、生産性向上につながりやすい。
・ 過去の実績や人柄を把握しているため、採用のミスマッチが低減される。

コスト削減

・一般的な中途採用や新卒採用に比べると、採用活動にかかる時間とコストが抑えられる。
・すでに一定のスキル・経験が蓄積されているため、研修や教育にかかる費用も抑えられる。

企業文化・価値観の共有

・企業文化を理解している人材を迎え入れることで、組織の一体感が維持されやすくなる。
・ 新しく獲得した視点と以前の経験を組み合わせ、イノベーションを促進できる可能性がある。

採用ブランディングの向上

・「再び戻りたいと思える企業」「人を大切にする企業」というポジティブなイメージを創出できる

人的ネットワークの拡大

・アルムナイを通じて、外部との人脈が強化され、ビジネスチャンス拡大につながる可能性がある。

◆ 従業員側のメリット

キャリアの多様性

・異なる企業での経験を経てから元の環境に戻ることで、多様なキャリアパスを選びやすくなる。
・以前とは異なる役職や部署で働くことで、新たなスキルや視点が獲得できる。

成長機会

・外部での経験を活かし、以前の職場で新たな価値を創造するチャンスがある。
・異なる環境での経験を通じて、自己の強みや課題を再認識し、成長できる機会がある。

スムーズな職場復帰

・ 慣れた環境に戻るため、新しい職場に比べて現場になじむストレスが軽減される。

信頼関係の構築

・以前の実績や関係性があるため、さらに深い信頼関係が構築しやすくなる。

ワークライフバランスの改善

・ 企業文化や業務内容を熟知しているため、効率的に働き、ワークライフバランスが取りやすくなる。

このように、アルムナイ採用はメリットが多く、非常に魅力的な採用手法となっています。

アルムナイ採用を成功に導く4つのポイント

実際に、アルムナイ採用を成功に導くためには、次の4つのポイントが重要になります。

1| アルムナイネットワークの構築

 アルムナイデータベースの整備
まずは 退職者の連絡先や経歴情報を管理し、定期的に更新するようにしましょう。必要な時に、すぐに適切な人材へアプローチできるようになります。管理する際には、個人情報の取り扱いに十分注意しましょう。

アルムナイイベントの開催:
年に1〜2回程度で、退職者を招いた交流会やセミナーを開催。アルムナイとの関係が維持できる場を設けます。採用や、企業が手がけるビジネスに関する最新情報を共有する機会にもなるはずです。

SNSの活用:
SNSを活用し、アルムナイとのつながりを保ちましょう。退職後も関心を持ってもらえるよう、企業の公式アカウントから定期的に情報発信を行います。

2| 情報共有システムの導入

専用ポータルサイトの構築:
アルムナイ専用のポータルサイトを設け、企業の最新情報や求人情報を共有するのもオススメです。セキュリティ面を考慮して、アクセス権限は社内で管理します。

ニュースレターの配信:
定期的にニュースレターを配信し、企業の近況や業界動向、再雇用の機会などの情報を伝えます。公式にリリースされたものだけではなく、アルムナイの興味関心が高い話題を取り上げるのも良いでしょう。

双方向コミュニケーションの促進:
ポータルサイトやSNSを通じて、アルムナイが持っている情報や経験から出てくるフィードバックを受け付ける仕組みを作ります。企業外の視点を取り入れやすくなれば、イノベーションの創出が期待できるかもしれません。

3| 柔軟な勤務形態の提供

ハイブリッドワークの導入:
以前は100%出社だった企業も多かったと思いますが、現在はハイブリッドワークが主流となっています。オフィスワークとリモートワークを組み合わせた柔軟な勤務形態を実現し、個々のライフスタイルやニーズに対応できることを伝えましょう。

フレックスタイム制の活用:
上記と同様に、ライフスタイルの変化に応じて働きやすい環境を整えていくことが大切です。

 短時間勤務やプロジェクト単位の契約:
フルタイムでの復帰が難しい場合は、短時間勤務やプロジェクトベースの契約を用意するのも一つの方法です。希望する雇用形態を聞き、多様な人材確保を目指しましょう。

4| キャリアパスの明確化と成長機会の提示

明確なキャリアパスの提示:
入社後のキャリアパスを明確に示し、将来のビジョンを共有します。長期的なコミットメントを促すことが、モチベーションの向上につながります。

スキルアップ支援:
最新技術や業界動向に関する研修プログラムを提供し、入社後の継続的な成長を支援します。さらなる成長の機会があることで、エンゲージメント向上が期待できます。

この4つのポイントを意識した具体策を形にし、自社の魅力を伝えていくことで「アルムナイ採用」を成功へと導いていきましょう。

note proでアルムナイ採用に欠かせない「情報発信」を

アルムナイ採用の成功には、効果的な情報発信が不可欠です。note proは、法人企業向けの有料プラン。無料で利用できるnoteよりも使える機能が多く、カスタマーサクセスチームによる運用サポートなどの支援もしています。

では、実際にnote proをアルムナイ採用に活用した事例を、ご紹介します。

アルテリアグループ(アルテリア・ネットワークス株式会社)

通信サービスを提供しているアルテリア・ネットワークスでは、アルムナイ採用者を「退職から数年後に復帰するカムバック社員」と位置付けています。

記事内では2名の“カムバック社員”にインタビューし、復帰を決めたきっかけや、転職先で気づいたこと、仲間との関係などをまとめています。

言語化しにくい「組織のカルチャー」についても分かりやすく伝えており、職場の温かさが感じられる内容です。

採用広報の充実は、アルムナイのネットワークを活性化させる可能性もあります。継続したネットワークを築いていくためにも、ぜひnote proをご活用ください。

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